築30年も経ったマンションじゃ、価値も低いし住むメリットなさそう・・なんて思ってませんか?
そんなことはありません。
築30年のマンションは価格が安価であるのはもちろん、
築40年マンションとは違って新耐震基準を満たしていているから「コスパが高い」と言えるんです!
この記事では築30年マンションがコスパが高いと言える理由を解説します。
もちろん築30年マンションならなんでもいいのかというわけではないので、
築30年マンションを購入する際にチェックすべきポイントをまとめました。
物件選びのポイントが間違いなければ資産価値が大幅に落ちることはありません。ぜひ参考にしてみてください。
1 築30年マンションはコスパで魅力!その理由とは?
築30年のマンションの魅力はなんといってもコスパが高いことです。
新築や築浅マンションより価格が安く、さらに築40年以上のマンションと違い、築30年マンションだと新耐震基準をクリアしているからです。
そんないいとこ取りの築30年マンションの魅力を詳しくみていきましょう。
1-1 物件価格がとにかく安い
まず、築30年マンションの最も大きな魅力は「安く購入できる」こと。
マンション投資で必ず検討するものとして「利回り」がありますが、利回りを高くするには「賃料を上げる」「安く購入する」「経費を節約する」といった方法が考えられます。
その中でも、利回りを大きく向上させるのが安く購入する事なのです。
ここで、家賃が7万円の単身者用マンションを購入したと仮定して、2000万円の新築と800万円の築30年マンション購入価格でどのくらい利回りが変わるのか計算してみましょう。
2つのケースの利回りの差は6.3%もあります。
安く買えるということ自体も嬉しいメリットですが、それが後々の利益に大きな差を生むことも築30年のマンションのメリットになんです。
1-2 新耐震基準に適合している
築30年マンションであれば、耐震性で安心できるのも一つのメリットと言えます。
安く買える築30年のマンションですが「それじゃあ築年数が古いほどお得だ!」とは言い切れないので注意です。
例えば築40年のマンションは新耐震基準ではなく旧耐震基準で作られているため、今後予想されている巨大地震への不安が残ります。
ちなみに、新耐震基準と旧耐震基準の境は1981(昭和56)年より前か後か。
おおまかにいうと旧耐震基準では「震度5で倒れない強度」を基準に建てられており、新耐震基準では「震度5で損傷しない強度」という基準になっています。
つまり、旧耐震基準は今後の大地震に耐えられない可能性があるのです。
事実、新耐震基準は1978年の宮城県沖地震で倒壊した古い建物が多かったために改正された法律です。
東日本大震災では大破するマンションは少なかったものの、阪神淡路大震災は大きな縦揺れだったため旧耐震基準のマンションは倒壊や大破したものが目立ったと報告されています。
築30年マンションであれば、耐震性で安心できるのも一つのメリットと言えるでしょう。
1-3 リノベーションにお金をかけられる
築30年ともなると、元の所有者がよほどキレイに使っていなければ、建具や設備の汚れ、破損、色あせなどで人に貸すには厳しいものがほとんど。
そこで先ほどご紹介した安く購入できるというメリットが「リノベーションにお金がかけられる」というメリットを生みます。
例えば東京で20~25㎡の築15年のワンルームを買おうと思うと、高いもので2000万円以上、安いもので1500万円します。
しかし、築30年であれば500万円台や800万円台のものも珍しくありませんから、実に1000万円も浮く計算になります。
ではその浮いたお金でリノベーションをしたらどうなるか。
ワンルームのリノベーション費用の目安をご覧ください。
築30年マンションをフルリノベーションしても、1000万円以下の物件なら築15年のマンションを買うより全然お得ですよね。
リノベーションは部屋の一部を交換したり修繕したりするリフォームと違い、言ってしまえば「全面改装」。
構造的に問題なければ柱や壁を取り払い、その部屋丸ごと新築同様に改装してデザイナーズマンションにもできてしまうんです。
東京なら築年数が古くても賃貸需要が見込めます。
それにも拘わらず、新築同様で家賃が安いとなれば空室リスクは大幅に抑えることができるでしょう。
むしろ家賃を新築マンションと同等の設定にすることも可能かもしれません。
入居者に気に入ってもらえる内装にできるか、リノベーションにかかった費用を回収できるのかどうかが重要ですが、それさえクリアすれば、以下のサイトのような実に素敵なワンルームマンションの運用も可能になります。
是非検討してみてはいかがでしょうか。
参考:Houzz「学生用ワンルームのリノベーションには、狭い空間で快適に暮らすアイデアがいっぱい!」
1-4 仲介手数料と固定資産税が安い
安く購入できるということは、更にもう一つの効果を生みます。
それは「仲介手数料と固定資産税が安い」ということです。
不動産は物件価格に「3%+6万円+消費税」の仲介手数料が上乗せされる上、毎年の固定資産税は収支の重しとなります。
普通のお店で物を買うのとは違うのです。
仮に新築で2500万円の物件を購入したとすると仲介手数料は約87万円。
これが築30年で1000万円の物件だとすると約39万円と半額以下になります。
築30年のマンションの価格は1000万円台のものもあれば、場所によっては数百万円のものもあります。
固定資産税は土地の価格や築年数で変わるため一概に言えませんが、半値以上の差がある新築と築30年マンションを比較して考えれば、固定資産税もその分安くなると考えても差し支えないでしょう。
安く買える築30年マンションは、副産物的なメリットが多くあることがお分かりいただけるかと思います。
1-5 選べる物件数が多い
冒頭でお伝えしたとおり、築30年のマンションには「選べる物件数が多くなる」というメリットもあります。
試しに、不動産・住宅情報サイトとして有名なLIFULL HOME’Sにて、ワンルームと1Kを築年数で絞り込んだ時に、物件数がどのくらい違うか確認したところ以下のようになりました。
築10年以内に比べて築30年のワンルームマンション数は208件も多くなりました。
あとは間取りや駅までの距離などでどんどん絞り込み、理想の物件があるか見てみるだけ。
仮に「安さは多少妥協して、専有面積が広いほうが良い」なんて思っても、築30年まで許容するなら希望の物件が見つかる可能性も高くなります。
一般の消費者心理として、商品数が多いと売上げが落ちると言われています。
それとは逆に、商品が少ないことで選択肢が狭くなるストレスを避けるため、商品の多い店に行こうという矛盾が生まれるのも事実。
日用品と違って不動産は高い買い物ですので、多くの選択肢から合理的な判断をするのが重要です。
「価格の安さ」「利回りの高さ」「設備や管理」「賃貸需要」など、不動産の選び方というのはほぼ決まっています。
物件数が多く、希望条件で妥協することが少なくなるのは、築30年マンションならではの魅力ですね。
1-6 広い敷地の物件が多い
築年数が古いマンションは「敷地面積が広い」というケースが多くあります。
例えば、近所の団地や昔に建てられた大規模分譲マンションなどを思い出してみてください。
広い駐車場があるのはもちろん、公園や小さなスーパーまで敷地内にあるマンションを見かけたことはないでしょうか。
敷地が広いということは、土地の持分が普通のマンションより多いということですから、値崩れしやすいというメリットになります。
また将来、マンションの建て替えの際は土地の持分が多いため、建て替え後の専有面積を広く取得できる可能性もあります。
築年数が古いマンションなら敷地が広いということではありませんが、資産価値としてのメリットを十分に発揮する可能性が高いのが築30年マンションなんです。
1-7 これまでの管理実績を確認できる
築年数が古いほど、管理体制や修繕計画が計画通り行えているのかと書類と現状を見て判断することができます。
「不動産は管理で買え!」
こんな言葉、聞いたことはないでしょうか。
自宅にせよ投資にせよ、適切にマンションの管理がされていない物件というのは、後の大きなトラブルに発展します。
例えば以下の記事でご紹介した事例では、マンションの管理を特定の人物に一任してしまったため、管理費や修繕積立金を横領された挙げ句、なんと三十年間も大規模修繕や定期修繕を行っていなかったことから大変な問題になっています。
マンション経営失敗事例から学ぶ!事前に知るべき6つの回避方法とは「管理組合の運営がずさんで失敗」
こんな事態を防ぐために必要なのが「重要事項に関わる調査報告書」というもの。
これは、そのマンションの管理委託を受けている会社が発行するもので、築年数が古いほど過去の修繕履歴や今後の修繕予定、修繕積立金の額から管理組合の運営状況などを細かに確認することができます。
築年数が新しいものですと、それらの履歴がまだ記録されていませんので、今後適切な管理がされていくか分かりません。
過去の管理実績を確認して間違いのない物件探しができる。
マンションの通知表でもある管理実績を確認できるのは、築30年マンションの大きなメリットと言えるでしょう。
2 築30年のマンションのデメリットと購入前のチェックポイント
築30年のマンションの魅力はお分かりいただけましたでしょうか。
メリットの1つ目でもお伝えしましたが、マンションの建築技術というのは日々向上しており、築100年なんてマンションもいずれ現実のものになるかもしれません。
「古いマンション=魅力がない」ではなく、築30年だからこその魅力がたくさんあるのです。
もちろん、デメリットが全く無いわけではありません。
築30年のマンションにどのようなデメリットがあるのか、そしてそのリスクをどのように回避すべきか見てみましょう。
2-1 修繕積立金が高くなる可能性がある
皆さん、マンションの修繕積立金の目安をご存知でしょうか。
さすがに何となく決めているわけではないのはご想像できると思いますが、実は国が示す一つの目安があります。
参考:国土交通省が公表している「『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』の概要」
マンションの大規模修繕で必要になる費用の目安は、上図の表と下図の計算式で簡易的に求めることができます。
80㎡の部屋が50戸あるマンションなら、一戸あたりの修繕積立金は「80㎡×218円=17440円」と計算できます。
つまり、1年で積み立てられる修繕積立金は「17440円×50戸×12ヶ月=約1046万円」です。
もし、この計算で求めた金額より積み立てられた額が少なすぎたり、明らかに安すぎる修繕積立金で運営されている場合、いずれ大規模修繕の費用が足らなくなり修繕積立金がアップする可能性があります。
購入前にはマンションの規模と専有面積を確認しながら、適切な修繕積立金が設定されているのか必ずチェックするようにしましょう。
2-2 購入後に大規模修繕の一時金が発生する可能性がある
築30年マンションの安い理由が築年数であればいいのですが、相場よりも安すぎる場合は要注意。
次回の大規模修繕が積立金だけでは足らず一時金が発生する可能性があるため、早めに売ってしまおうという物件もあるのです。
それを見抜くためには、やはり「重要事項に係る調査報告書」を見てみましょう。
重要事項に係る調査報告書はマンションの管理会社に手数料を払って入手する方法もありますが、多くの場合は売却依頼を受けた不動産会社が保有しており、将来の大規模修繕で一時金が必要ならその旨が記載されています。
つまり、重要事項に係る調査報告書に書かれた修繕積立金額と、大規模修繕で必要になる費用が足りるのかどうかを見比べれば良いのです。
上記の関係性が成り立っていれば、購入直後に大規模修繕の一時金が発生する可能性は低いと言えます。
仮に一時金の有無について記載がなくても、前述の計算式を用いれば、次回の大規模修繕で必要になる費用がこれまでの修繕積立金の総額で足りるのか確認することができます。
せっかく築30年のマンションを安く購入しても、その直後に大規模修繕の一時金で大きな支出があっては本末転倒。
一時金が必要だから悪いマンションということではありませんが、少なくとも管理組合が適切に運営されていたかどうかの目安として見ても良いでしょう。
2-3 住人の高齢化による建て替え問題
さて、ここまでお読みいただくと、築30年マンションに限らず管理が非常に大事なことだということがお分かりいただけたかと思います。
そんなマンションの管理で考えていただきたいことがもう一つあります。
それは、いつか必ず訪れる「マンションの建て替え」です。
しっかり管理されていたマンションと何もこなかったマンションで比べると、マンションの寿命が変わりそうなはここまでの解説で何となくご想像いただけるかと思います。
管理がしっかりなされていたマンションというのは、管理組合が適切に運営されていた証拠でもあり、それにより住人の団結度も高くなります。
それに対し、管理がずさんなマンションというのは管理組合も住人も話し合いにすらならないケースがあり、場合によっては「終の棲家だから建て替えなくてもいい」という高齢者の意見もあったりすることから、建て替えの協議に10年以上かかることも珍しくありません。
そこで、やはり目を通しておきたいのが、何度も登場した「重要事項に係る調査報告書」です。
そもそも、マンションの管理組合というのは住人の同士の話し合いの場でもあります。
重要事項に係る調査報告書でこれまでの管理実績や修繕履歴、そして修繕予定や修繕積立金の状況、管理組合の運営状況などを確認し、特に気になる点がなければ、その管理組合も住人も協力的関係にあると言うことができます。
結果それは、建て替えの時にも揉めることなく合理的な判断で建て替えを進められるということにも繋がるのです。
重要事項に係る調査報告書一つで、ここまでの予測や判断が可能だということに驚いた方も方もいらっしゃるかもれません。
築30年マンションの購入前には絶対に目を通しておくべき書類なのです。
2-4 融資が受けづらい
築30年のマンションは、管理とは別にもう一つ懸念があります。
それは、中古マンションというのは資産価値が減少していることから、「銀行の融資が厳しめ」という事実があること。
築年数が古いほど銀行はリスク資産と見なすため、借入金額が希望より大きく下回ったり、そもそも審査の承認が下りないことが多いのです。
ただ、立地、建物のクオリティ、ブランド力などにより資産価値が保たれるものもあります。
一般に「ヴィンテージマンション」と呼ばれたりもしますが、立地が良いだけでも資産価値が大きく減ることは避けることができ、むしろオリンピック需要により不動産価格が高騰していることから、資産価値が下がるどころか上がっている物件もあるほど。
例えば、山手線「恵比寿」駅から徒歩20分、東京メトロ「日比谷」駅5分の場所にある「広尾ガーデンヒルズ」というマンションは、築32年で分譲当時の最安価格が8000万円。
それに対して、同規模の広さの区分所有が未だに8500万円で売買されているのですから驚きです。
広尾ガーデンヒルズはヴィンテージマンションの代表とも言われますが、ここまで高級でなくとも、立地や賃貸需要によって銀行が融資を積極的に検討するマンションはあります。
マンションの購入は、そういった総合的な「マンションの価値」を見極めることで融資の受けやすさも変わります。
一つのリスク回避術として覚えておいても良いでしょう。
2-5 自由にリノベーションできない場合がある
最近では築古マンションを新築同様にリノベーションするという方法が流行していますが、リノベーションも自由にできない場合があります。
特に以下のような部分はリノベーションで悩みの種となりがちです。
上記を考慮しつつ、購入後に考えているリノベーションが可能であるかどうかは管理会社とも相談しながら検討していきましょう。
2-6 築30年のマンションを購入する際のチェックポイント
では最後に、上記までに解説させていただいたことを含め、再度、築30年マンションを購入する前のチェックポイントとその理由をおさらいしておきましょう。
尚、ハザードマップは国土交通省が提供している公式サイトがありますので、下記のリンクをご参考になさってください。
まとめ
築30年マンションは言わば「成人になったばかりの物件」。
本領発揮はこれからですし、不動産投資としてだけでなく自己居住用としても築30年であればまだまだ十分に住むことができます。
何においてもメリットしかないということはありませんが、少なくともチェックポイントさえ抑えておけば、物件数の多さから自分が欲しいと思える物件が見つかりそうな気がしてきませんでしょうか。
実は不動産投資家の中には、築古物件のほうが美味しい物件が見つかると言う方もいるほどで、彼らは築年数が多少古くても、人の住む家として成立すれば積極的に購入を検討します。
今回ご紹介したメリットは、その裏付けとも言えるんですよね。
これからマンションを購入しようと検討されている方は、築30年のメリットを存分に享受した理想の物件を手に入れてみてはいかがでしょうか。
本記事を読んで投資・副業・不動産投資にご興味を持たれた方は、ぜひ株式会社TRUSTの【中古マンション投資セミナー】へのご参加を検討してみてください。心よりお待ちしております。