不動産クラウドファンディングに関する疑問点をまとめています。
多くの方が抱く疑問をわかりやすく解説します。投資を検討している方はもちろん、すでに利用中の方もぜひ参考にしてください。
この記事が向いている人
✓ 不動産クラウドファンディングの仕組みや違いがよくわからない人
✓ 興味があるけど、いろいろと疑問がある人
✓ 細かいことなど投資の不安を払拭してから慎重に始めたい人
■ まず知っておきたい基礎知識
Q1. 不動産クラウドファンディングとは何ですか?
A. 不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの投資家から少額ずつ資金を集め、不動産に投資する仕組みです。投資家は1口1万円など少額から参加でき、運用期間中は賃料収入や売却益に応じた分配金を受け取ることができます。個人でも手軽に不動産投資を始められる方法です。
Q2. どんな不動産に投資されるの?
A. ファンドによって、投資対象の不動産はさまざまです。マンションやアパート、商業施設、戸建て、ホテル、古民家、物流施設など、多様な用途があります。それぞれの収益性やリスクが違うので、自分に合ったタイプの不動産を選ぶとよいでしょう。
不動産クラウドファンディングではどんな不動産の種類に投資されるのか、より詳しく知りたい方はこちらから。
▶物件タイプで差がつく!賢い投資先の選び方【不動産クラウドファンディング】
https://trust-blog.jp/croudfunding_bukkenn_type
Q3. 投資先の物件はどう選ばれているの?
A. 不動産クラウドファンディングでは、運営会社が独自の基準で物件を選定しています。立地や築年数、利回り、再販価値、市場調査やリスク分析を行った上で、魅力的な条件の案件を選んで提供しています。
全体として、不特定多数の投資家から資金を集める仕組み上、運営会社は失敗が許されにくく、手堅い物件を選ぶ傾向があり、厳選されているといってもいいかもしれません。
Q4. 今後の成長性はどう考えるべき?
A. 少額からの不動産投資ニーズが高まる中、不動産クラウドファンディング市場は今後も拡大が期待されています。
不動産クラウドファンディングの業界は、上の図を見ると、2018年時点で12億だった出資額は2023年時点で1,000億円を超えていて、業界が急成長をしているのがわかります。
■ 投資先を選ぶ上で知っておきたいこと
Q5. どれくらいの期間で運用されて償還されるの?
A. 一般的には数ヶ月〜1年の短期運用型ファンドが多いですが、中には1年〜5年の長期運用型ファンドも存在します。募集時に想定の運用期間が表示されますが、運用期間中は原則として解約ができないため、自分の資金の流動性を考えて投資期間を選びましょう。
ただ、想定の運用期間よりも早く分配金が返ってくる(早期償還される)可能性があるファンドもあります。早期償還によって分配額が減ることもありますし、利回りがアップする可能性もあります。
早期償還について、より詳しく知りたい方はこちらの記事へ。
▶短期or長期どっち儲かる?不動産クラウドファンディング/運用期間ごとのメリットデメリットも紹介
https://trust-blog.jp/crowdfunding_shortterm_longterm_dif
Q6. 最低投資額はいくら?
A. サービスによって異なりますが、1万円、また、10万円から投資できるものが多く見られます。いずれにせよ少額から始められるのが不動産クラウドファンディングです。
最低投資額がサービスによって異なるので注意しないといけない点は、勘違いして1桁間違えて入力してしまうと、意図しない金額になるリスクがあります。
とくに先着式で急いで手続きを進めようとすると、そのミスが起こりやすくなるので、投資を始める前に、各運営会社のウェブサイトで最低投資額を確認するようにしましょう。
Q7. 利回りはどれくらい?
A. 利用するサービスや各ファンドによって異なりますが、年利3〜8%程度の想定利回りが多く見られます。想定利回りは「1年間の予定配当金額÷投資金額」で計算されています。
多くのサービスでは、ファンドの募集ごとに想定利回りのシミュレーションが計算されていたり、シミュレーション計算機能があったりします。事前に「どのくらいのリターンがあるか?」確認してみるとよいでしょう。
Q8. 想定より利回りアップしているところがあるけど、なぜ?
A. 一部の不動産クラウドファンディング会社は、当初予定の売却益よりも高く売れた場合などに、想定利回りから上振れさせた利回りで償還を行う可能性があります。
法律で基準が定まっているわけではなく、利回りを高くして償還するかどうかは各会社の配当ポリシー次第です。現時点では、上振れさせるような配当ポリシーを選択している会社は少ないのですが、例として挙げると「投活(トウカツ)」があります。
投活の配当ポリシーの詳細はこちらで確認できます。
▶【投活】想定以上の金額で売れたら配当が変わる!?投活の配当ポリシー
https://trust-blog.jp/to-katsu-dividend-policy
Q9. 元本割れのリスクはありますか?
A. はい、不動産クラウドファンディングには元本保証がないため、元本割れのリスクは存在します。例えば、空室が続いたり、物件の売却価格が予想を下回ったりした場合に、想定していた分配金が得られなかったり、元本が減少したりする可能性があります。しかし、2025年5月末時点では不動産クラウドファンディングの仕組みにおいて、元本が棄損したケースは1件もありません。
元本割れについてより詳しく知りたい方はこちらから。
▶【元本割れ解説】不動産クラウドファンディングはリスク対策で失敗回避しよう
https://trust-blog.jp/ganponware-taisaku
Q10. 優先劣後構造ってどういう意味?
A. 優先劣後構造とは、万が一損失が発生した場合、劣後出資者(運営会社や関係会社など)が先に損失を負担し、優先出資者である投資家の元本や利益を守る仕組みです。例えば、全体出資の20%が劣後出資であれば、物件の価値が20%下がっても投資家の元本は守られる設計になります。リスクを下げる重要な仕組みの一つです。
優先劣後方式について詳しく知りたい方はこちらから。
▶優先劣後方式とは?メリットや注意点を解説【不動産クラウドファンディング】
https://trust-blog.jp/crowdfunding_yusenretsugo
Q11. キャピタルゲインとは何ですか?
A. キャピタルゲインとは、投資対象の不動産を購入時よりも高く売却することで得られる利益のことです。例えば、リノベーション後に価値が高まった物件を高値で売却した場合、その差額がキャピタルゲインとなります。
不動産クラウドファンディングにおけるキャピタルゲイン型とは、投資家への分配金が、上記の売却によって得られる利益を原資としたファンドのことを指します。
一方で、不動産の賃料収入はインカムゲインと言います。
キャピタルゲイン(及びインカムゲイン)はこちらで詳しく解説しています。
▶不動産クラウドファンディングにおけるキャピタルゲインとは?インカムゲインとの違いやメリットについて解説
https://trust-blog.jp/crowdfunding_incomecapital_difference
Q12. 投資後、運用状況の報告はしてくれるの?
A. 不動産クラウドファンディングサービスによって異なります。投資中ファンドの運用状況や定期レポートを確認できるところでは、入居率や売却活動の進捗、建物の写真などが公開される場合もあり、透明性の高い運用をサポートしています。
例えば、不動産クラウドファンディングサービス『投活』では、以下のような運用実施レポートを毎月発行しています。
また、リノベーションを扱った物件では、リノベーションのプロセスを公開しています。
例
https://trust-blog.jp/denenchofu-renovation
Q13. 自分に合ったファンドの選び方は?
A. 利回りだけでなく、投資期間、エリア、物件の種類、リスク構造(優先劣後比率など)を総合的に判断しましょう。初心者は「短期・高劣後比率・好立地」のファンドを選ぶと、比較的安心して投資を始められる傾向があります。
投資先の選び方について、こちらの記事で詳しく説明しています。
▶【不動産クラウドファンディング投資先の選び方】4つのポイントを解説!損しないための注意点も
https://trust-blog.jp/crowdfunding_choice
Q14. 税金はかかるの?
A. クラウドファンディングで得た分配金は「雑所得」に分類され、確定申告が必要な場合があります。ただし、源泉徴収されていることが多く、給与所得しかない会社員の方は、年間20万円以下であれば確定申告が不要となるケースもあります。詳しくは税理士や国税庁の情報を確認しましょう。
不動産クラウドファンディングにおける税金については、こちらの記事が参考になります。
▶確定申告って不動産クラウドファンディングも?損する場合や注意点も解説
https://trust-blog.jp/crowdfunding_kakuteishinkoku
■ 他の投資サービスとの違い
Q15. 現物の不動産投資と何が違うの?
A. 従来の不動産投資は、物件を一棟、または、一室まるごと購入して管理・運用するスタイルが一般的で、多額の初期費用や専門知識、管理の手間が求められます。
一方、不動産クラウドファンディングは、1万円程度から少額で複数の不動産に分散投資でき、物件の選定や運用、管理も運営会社が行います。
現物の不動産投資には「リターンが大きい」「ローンを活用できる(レバレッジが効く)」といったメリットがあります。
現物の不動産投資とのより詳しい違いについてはこちらの記事へ。
▶不動産投資と不動産クラウドファンディングの違いを徹底比較!どっちがオススメかも解説
https://trust-blog.jp/crowdfunding_fudosantoushi
Q16. REITと何が違うの?
A. REIT(不動産投資信託)は上場しているので、株式と同様に売買できる流動性の高い商品で、複数の不動産に運用先が分散されます。
不動産クラウドファンディングは原則として途中解約はできないので、REITに比べると流動性が低く、クラウドファンディングでは個別の不動産に投資されます。
安定した不動産クラウドファンディングに比べて、REITは金融商品なので値動きを気にしないといけません。
REITとの違いはこちらの記事で詳しく説明しています。
▶不動産クラウドファンディングとREIT (リート)違いを徹底比較!
https://trust-blog.jp/crowdfunding_or_reit
Q17. ソーシャルレンディングとの違いは?
A. ソーシャルレンディングでは、投資家から集めた資金は、ソーシャルレンディング運営会社が選定した別の会社や個人への融資に使われます。そのため、配当の原資は賃料や売却益ではなく、融資によって生じる「利息(金利)」が配当の原資になります。
一方で、不動産クラウドファンディングでは、投資家から集めた資金はその運営会社自身が不動産を取得・運用するために使われ、配当の原資はその不動産からの家賃収入や売却益です。
ソーシャルレンディングについては、不動産以外の事業にも投資ができ、 クリーンエネルギー、金融、M&A、医療など幅広い投資先があります。
ソーシャルレンディングとの詳しい違いはこちらの記事へ。
▶徹底比較!不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いとは?
https://trust-blog.jp/difference_sociallending
■ 投資家登録・手続きについて
Q18. 投資するまでの流れは?
A. 不動産クラウドファンディングへの投資までは、以下のステップで進みます。
1. サービスのサイトから会員登録をする
2. 登録したメールの認証をする
3. 本人確認を行い審査を受ける
4. 投資先を決める
5. 投資を申し込む
6. お金を振り込む
7. 運用が始まる
そのあとは、投資家が必須のアクションはなく、運用が終了したら分配金を受け取ります。
Q19. 誰でも投資できますか?
A. 多くのサービスでは、20歳以上であれば、本人確認書類の提出や銀行口座の登録をしたあと、投資が可能になります(年齢の上限がある場合もあります)。
ただし、反社会的勢力でないことや、一定の収入・資産があることなど、所定の審査があります。また、海外居住者は対象外となる場合もあるため、各サービスの利用規約を確認しましょう。
Q20. 審査にはどれくらい時間がかかる?
A. 一般的には、WEB上での申し込みから即日〜1週間程度で審査が完了します。本人確認書類のアップロードなどが必要になります。
Q21. 投資家登録に費用はかかるの?
A. ほとんどのサービスでは、投資家登録にかかる初期費用は無料です。年会費や管理費も不要なことが一般的で、投資に関するコストは実際のファンド運用にのみ関係します。
Q22. 手数料はかかるの?
A. 前述したように、投資家登録に対する手数料は不要なケースが多いですが、実際に投資をする際に入金手数料や出金手数料が別途かかる場合もあるので、ファンドごとに事前に確認しておくとよいでしょう。
4.まとめ
今回は気になる不動産クラウドファンディングの基本を質問形式で紹介しました。
不動産クラウドファンディングは初心者でも始めやすい投資ですが、わかりにくい・聞き慣れない仕組みも出てくるので、様々な疑問があるかもしれませんが、疑問をクリアにしておくと、スムーズに不安なく投資ができるでしょう。
不動産クラウドファンディングに興味を持った方は、記事内でも紹介した『投活(トウカツ)』で最新ファンドをチェックしてみてください。