「不動産投資に興味はあるけれど、ハードルが高い・・」
そんなとき選択肢になるのが、“不動産クラウドファンディング”と“REIT(リート)”。
どちらも少額から始められますが「どっちをやった方がいい?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。
簡単に答えがわかれば楽ですが、実際のところどちらがいいのかは求めるリターンやリスク許容度によって異なるので、両者の違いを理解する必要があります。
そこで今回の記事では、不動産クラウドファンディングとJ-REIT(リート)の特徴について、その違いを比較しながら解説します。
どちらに投資するかの判断材料にしてください。
この記事が向いている人
✓ 不動産クラウドファンディングとREITの違いがわからない人
✓ 不動産クラウドファンディングを始めるか迷っている人
✓ 自分に合った投資を選びたい人
目次
1.不動産クラウドファンディングとREIT(リート)の基本
不動産クラウドファンディングとREITの違いを見ていく前に、まずそれぞれの特徴について確認しておきましょう。
不動産クラウドファンディングとは
不動産クラウドファンディングとは、その名の通り、クラウドファンディングのシステムを活用して不動産投資を行う方法です。
具体的には、運営会社が投資家から集めた資金を元手に不動産を購入・運用します。そこで得た利益から配当金を分配するという仕組みです。
投資対象は基本的に“1つの不動産物件”で、出資するかどうか、その不動産物件の情報を詳しく理解した上で判断することができます。
REIT(リート)とは
REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust」の略で、そのまま訳すと「不動産投資信託」のことです。
投資家から集めた資金を使って、ホテル・オフィスビル・物流施設・商業施設などの不動産を購入します。その後プロが運用して、賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みになっています。
投資対象は、基本的に1件の不動産物件ではなく、REITに組み込まれている“複数の不動産”です。このREITを購入するだけで専門家が選んだ不動産に分散投資をすることができます。
なお、REITはもともと米国発祥です。日本におけるREITは、頭文字にJAPANの「J」をつけて「J-REIT」と呼ばれます。証券取引所に2001年に上場されたJ-REITは、個別銘柄として株式と同じように売買することが可能です。
不動産クラウドファンディングとREITの共通のメリット
両者には3つの共通のメリットがあります。
少額&オンラインで不動産投資が可能
不動産クラウドファンディングとREITは両者とも、1口1万円からといったものが多く、少額での不動産投資が可能です。
また、どちらもインターネットを通じて簡単に投資を始められます。
そのため、まとまった資金を調達する必要がなく、スマホさえあればすぐにでも始められるという気軽さがあります。
多額の元手や様々な書類が必要で始めにくいイメージがある「現物の不動産投資」とは、一線を隠す不動産投資と言えます。
専門家により運用されている
不動産クラウドファンディングとREITは、事業者や運用会社が主体となって不動産を購入・運用するため、運用の手間がかかりません。
REITの場合は、投資を専門的に担う不動産投資法人が不動産の取得・運用を行います。
不動産クラウドファンディングの場合は、そのサービス運営会社が物件を運用します。
一方で、所有権を持つことになる現物の不動産投資であれば、運用だけではなく、物件や入居者の管理が必要なので、投資家に負担がかかります。
安定的なリターンが得られる
不動産クラウドファンディングとREITは、共に定期的な賃料収入がリターンの原資になるため、安定的なリターンを期待できます。
J-REITの場合、運用で得られた収益の内、90%を投資家に分配すると、法人税が免除されることもあり、利回りが高くなりやすい構造になっています。
2.不動産クラウドファンディングとREIT(リート)の違い
それぞれの仕組みや共通のメリットを理解できたと思います。それでは本題である「違い」を見ていきましょう。
不動産クラウドファンディングとREIT(リート)には、次のような違いがあります。
① 値動き
前述したように、どちらも“不動産”という性質上、安定的なリターンが得られますが、REITには価格変動がありえます。
REITファンドは証券取引所に上場している「不動産投資信託」という金融商品。そのため、投資家が購入した証券は株価のように値動きがあるのです。
仮に不動産の運用成績が良くても、相場の影響でREIT価格自体が下落する可能性もあります。
もちろん、REITはほかの投資よりも安定して分配金が得られる傾向がありますが、値動きを全く気にしなくていいというわけではありません。
日々の価格変動があり、値動きが激しくなることもありえるので、REITで投資する際には気をつけましょう。
一方、不動産クラウドファンディングについては安定していて、日々の価格変動はほとんどないので、気にする必要はありません。
② 利回りの相場
利回りの相場は、不動産クラウドファンディングでは3~8%、REITでは3~5%です。
不動産クラウドファンディングのほうが比較的高く設定されていることが多くなっています。
もちろん、運営する事業会社によって平均的な利回りは変わってきますし、個々の投資物件によっても利回りは変わってきます。
③ 売却タイミング
REITは証券取引所に上場しているため、取引時間内であれば、株式と同じように売買がすぐに可能です。ネット証券を使っている方は、パソコンやスマホから取引ができます。
そのため、例えば、投資の途中で事情によりまとまったお金が必要になっても、REITを売却して資金を準備できます。証券会社によって変わってきますが、数日から1週間程度で現金化できるでしょう。
一方で、不動産クラウドファンディングは数ヶ月から数年の間、資金が拘束されるため、REITのように好きなタイミングで現金化はできません。つまり、まとまったお金が必要になったとしても、運用期間が終了するまでは、出資金を引き出すことができないのです。
そのため、不動産クラウドファンディングでは、REITと違って「生活資金を確保する」「余剰資金を使う」といったことを念頭に置いて投資するか判断する必要があります。
④ 投資家の手間
REITも、不動産クラウドファンディングも管理コストは不要です。物件の維持や入居者の管理は全て運営会社が担うため、現物の不動産投資を行うときのような煩雑な作業は発生しません。
ただ、どちらも最後まで手間がかからないのかというと、REITについては最終的な「出口」を見定めなければいけません。
具体的に言うと“値動きをチェックして売却のタイミングを見定める”ということが必要になってくるのです。
不動産クラウドファンディングでは、出口も運営会社が探すことになるので、その手間がない分、全体としてREITよりも手間がかからないと言えるでしょう。
⑤ 投資家を守る仕組み
REITでは優先劣後方式のような投資家のリスクを低減させる制度はありません。
一方で、不動産クラウドファンディングは、“優先劣後方式”を採用していることが多いため、元本割れのリスクが低くなります。
この“優先劣後方式”というのは、投資家と事業者が共同で出資し、分配金の配当や元本の償還を投資家優先で行う仕組みです。
優先:劣後=80:20で1000万円の投資物件の例を考えましょう。
運営会社の出資分は200万円ですが、もし150万円の損失が出た場合、まずこの運営会社の出資分200万円の中から補填されるので、投資家の元本は守られます。
(損失が200万円以上の場合は、運営会社の出資分を超えるので、投資家の元本割れが起こります)
⑥ 選択肢
不動産クラウドファンディングの投資対象となる物件は、居住を目的としたマンションやアパートがメインです。物件数が多くないので、投資する選択肢は限られています。
実際、国内の市場規模にしてみても、成長傾向にはありますが、数百億円ほどです。
一方で、複数の物件が組み合わされるREITは、マンションやアパートはもちろん、商業施設やオフィスビルなど、さまざまな目的の物件から選択できます。そのため、不動産クラウドファンディングよりも、REITのほうが選択肢が豊富にあります。
REITにおける国内の市場規模は、10兆円を超えています。
3.不動産クラウドファンディングがオススメの人
ここまでの仕組みと違いを踏まえて、REITよりも不動産クラウドファンディングがオススメなのは、以下のような人です。
①安定した収益を見込みたい
REITでは、日々値動きがありますが、不動産クラウドファンディングでは大きな価格変動のリスクも受けにくく、安定した収益が見込めます。日々の価格変動を気にすることなく、安定した配当が期待できます。
②手間や時間をかけたくない
不動産クラウドファンディングは、一度出資すればあとの手間はほとんどかかりません。REITのように日々値動きをチェックし、「いつ売ればいいか?」と考える必要もないのは魅力でしょう。
③リスクを低くしたい
優先劣後方式により元本割れリスクが軽減されます。万が一損失が生じたとしても、事業会社が優先して損失を被り、投資家の元本は守られやすくなります。
④物件の詳細を知りたい
REITでは、複数の物件が1つの金融商品になっていて物件1つ1つを詳細に見ることができませんが、不動産クラウドファンディングでは物件情報が開示されていて「どんな場所にあるのか」「どのくらいの広さか」といった詳細を確認することができます。
4.REIT(リート)がオススメな人
反対に、REITがおすすめなのは、以下のような人です。
①選択肢が多い方がいい
前述したように、不動産クラウドファンディングの国内市場規模は数百億円、REITの国内市場規模は10兆円となっており、REITの方が選択肢が圧倒的に多くなっています。
②売買(現金化)しやすい方がいい
REITは投資対象は不動産ですが、株式投資と同じく証券化されているため、自由に売買できます。そのため、売買も短期間で行うことができますし、すぐ現金に戻すことができるので、「自分の好きなタイミングで売却したい」というタイプの方に向いています。
③大きな運用益を得たい
不動産クラウドファンディングは、利回り相場がREITよりも高いのですが、価格変動がない分、大きな利益を出すのには不向きです。
一方で、REITは価格変動がある分、大きな利益を得る可能性があり、キャピタルゲインによる大きな運用益を得たいという人にはREITがオススメです。
5.投資初心者にオススメなのは不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとREITを紹介してきましたが、初心者はどちらがよいのでしょうか?
どちらも少額から手軽に出資ができるとはいえ、投資初心者はリスクをできる限り避けることが得策です。そのため、初心者にはリスクがより低い不動産クラウドファンディングがおすすめです。投資元本の変動リスクを極限まで抑え、安全に投資に取り組めます。
また、REITと違って、自分で売り時を考えて売るタイミングを判断する必要がないのも、まだ投資に慣れてない人にとってはありがたい点です。
もちろん、不動産クラウドファンディングで成功体験を積んでから、REITにチャレンジするのも一つの方法ですし、資金に余裕があれば、不動産クラウドファンディングもREITも、並行して分散投資をするというのもいいかもしません。
6.まとめ
不動産クラウドファンディングとREITは、“少額から始められる不動産投資”であることには変わりないものの、仕組みは異なりリスクやリターンも変わってきます。自分に合った方法を選んで投資しましょう。
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