今回は、音楽と緑が調和する街「練馬区小竹町2丁目」に位置する築20年中古マンションのリノベーションをレポートしていきます。
目次
1.地域情報
・小竹町 名前の由来
「小竹町」という地名は、かつてこの地域に小さな竹(小竹)が多く生えていたことに由来します。
江戸時代から明治時代にかけて、この一帯には竹林が広がり、竹を日用品や建築材料として活用されていました。そのため、地域は「小竹村」と呼ばれ、後の行政区画変更を経て「小竹町」として定着。現在も竹を活かした伝統や文化が一部残っています。
今昔マップon the webより作成
・地域の歴史
練馬区は古くから人々が暮らしてきた土地で、縄文時代の遺跡も発見されています。
江戸時代に入る農業地帯として発展し、特に大根の栽培が盛んで、「練馬大根」として江戸の人々に親しまれ、重要な野菜供給地の役割を果たしていました。この時代の練馬は、江戸を支える農村地帯としての性格を強く持っていました。
明治時代の1889年(明治22年)に町村制が施行されると、この地域は複数の村に分かれて行政が行われるようになりました。
戦後の大きな転機となったのは1947年(昭和22年)の練馬区誕生です。それまで板橋区の一部だった地域が分離独立し、東京23区では最も新しい区として練馬区が設立されました。
高度経済成長期の1950年代から1970年代にかけて急激な宅地開発が進み、農地は次々と住宅地に変わり、典型的な郊外住宅都市へと変貌を遂げていきました。
・鉄道の歴史
農村地帯だった練馬と都心部を初めて鉄道で結んだのは、1915年(大正4年)の武蔵野鉄道(現在の西武池袋線)開通が始まりです。鉄道網の発展によって住宅地開発が進みました。
戦後は西武鉄道の電化・複線化が進み、通勤路線として人口急増を支えました。1983年(昭和58年)に有楽町線が延伸されて区内初の地下鉄駅が誕生し、1994年(平成6年)の東京メトロ副都心線開通、2000年(平成12年)の都営大江戸線全線開通により都心へのアクセスが大幅に改善されました。
現在の練馬区は西武線と複数の地下鉄路線が走る交通の要衝となり、これらの鉄道網が住宅都市としての発展を支えています。
小竹町の主要駅は、東京メトロ有楽町線・副都心線、西武有楽町線が乗り入れる「小竹向原駅」です。この駅では3路線を利用でき、池袋・新宿三丁目・渋谷方面へのアクセスが快適です。さらに、西武有楽町線の「新桜台駅」も利用可能で、練馬方面への移動にも便利な立地となっています。
■「小竹向原駅」から東京メトロ有楽町線・副都心線で「池袋駅」まで約5分
■「小竹向原駅」から東京メトロ副都心線で「渋谷駅」まで約21分
■「小竹向原駅」から東京メトロ有楽町線で「有楽町駅」まで約24分
・これからの練馬区(東部エリア)
練馬区では、大規模な再開発は少なく、自然環境の保全や住宅地としての安定性が重視されています。公園や緑地が多く、住民が長年暮らすことで、既存の街並みを維持する傾向があります。一方で、東部エリアは杉並区や豊島区に隣接しており、これらの地域の開発動向が練馬区にも影響を与える可能性があります。
練馬区立美術館建て替え計画
西武池袋線「中村橋駅」近くの練馬区立美術館は、老朽化やバリアフリーの課題を受け、地上5階・地下1階の規模へ拡張される計画が進行中です。「美術まち構想」により、美術館・図書館・緑地を一体的に開発し、駅や商店街とつながる回遊路「アート・コミュニケーション・コリドー」の整備が進められます。これにより、まちに開かれた文化拠点としての役割が強化され、地域活性化が期待されています。
練馬区HPより:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/nakamura/bijutunomati_kousou.html
池袋駅西口地区市街地再開発事業
池袋駅西口では、老朽化した建物や小規模宅地の再整備を目的に、超高層ビル3棟の建設が計画されています。歩行者中心の都市構造への転換を図り、安全で快適な環境を整備するとともに、文化・芸術の発信拠点としての機能を強化し、国際アート・カルチャー都市の形成を目指します。工事は2027年開始、2043年竣工予定で、鉄道沿線の再開発にも影響を与える大規模プロジェクトとなります。
豊島区HPより:https://www.city.toshima.lg.jp/433/2411131401.html
※【リノベ事例】豊島区長崎5丁目/リノベーションプロジェクト にも掲載しています
都営大江戸線の延伸計画
現在の終点である光が丘駅から大泉学園町方面へ延伸し、さらに埼玉県の東所沢駅までつなぐ構想が進められています。この延伸により、練馬区北西部の鉄道空白地域が解消され、都心へのアクセスが向上します。開業時期は2040年頃を目標にした素案がまとめられ、東京都や関係機関が事業化に向けた調整を進めています。
練馬区HPより:https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2022/2022047.html
・周辺施設
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ ハリー・ポッター
2023年6月に“としまえん”の跡地に建設された、映画『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』の世界を体験できる施設で、ロンドンにあるスタジオツアーに次いで世界で2番目の施設になります。
実際に映画で使われたセットや衣装、小道具が展示され、映画制作の裏側を間近で楽しめます。ハリー・ポッターファンならぜひ訪れたい魅力的なスポットです。
バーデと天然温泉 豊島園 庭の湯
“ワーナー ブラザース スタジオツアー東京”に隣接している、水着着用で男女一緒に楽しめるバーデゾーンが人気の温泉複合施設です。円形のバーデプール、日本庭園に面した屋外エリアのフィンランドサウナやジャグジーなどがあり、緑に囲まれた落ち着いた雰囲気の中、天然温泉、サウナ、岩盤浴、アクアマッサージを満喫できる大人向けの癒し空間です。四季折々の景色を楽しみながら贅沢なひとときを過ごせます。
都立城北中央公園
練馬区と板橋区に広がる公園で、野球場、陸上競技場、テニスコートなどのスポーツ施設が充実しています。自然豊かで四季折々の景色を楽しめるほか、児童公園やドッグランもあり、幅広い世代が楽しめるスポットです。
2.物件情報
・立地
物件最寄りの小竹向原駅は、繁華街の池袋駅に近いものの、駅から少し歩くと静かで落ち着いた住宅街が広がります。周辺には日本大学芸術学部や武蔵野音楽大学、武蔵大学があり、ファミリー層だけでなく学生も多く暮らす街です。
新桜台駅や江古田駅も利用可能で、両駅を結ぶ“江古田ゆうゆうロード”は、昭和の雰囲気が残る街並みと、多彩な店舗が魅力です。歩行者天国の時間帯もあり、家族連れでも安心して楽しめる商店街です。
・物件の特徴
環状七号線沿いの角地に建ち、新耐震基準で建てられた築20年の物件です。
マンション裏側には「かなで緑地」が広がり、全ての部屋で日当たりと風通しの良さを実感できます。
物件は内廊下になっているので、防犯性・プライバシー性が高く、天候に左右されず快適に移動できます。
・物件概要
所在地:東京都練馬区小竹町2丁目
交通:東京メトロ有楽町線・副都心線「小竹向原」駅徒歩8分/西武有楽町線「新桜台」駅徒歩5分
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根4階建
総戸数:12戸
専有面積:38.88㎡
築年月:2004年11月
・間取り図< Before>
・室内写真<Before>
3.プランニング
・コンセプト
単身者・二人暮らしをターゲットに、年齢や性別を問わず快適に過ごせるよう、洗練されたリノベーションを施します。
利便性の高い交通アクセスを重視し、適正な価格で物件を探している方に向けて、コストパフォーマンスに優れた物件を提供します。
・リノベーション担当者の声と施工工事
Plan 1. 住む人の自由度を考慮した1LDKの間取りへ
Plan 2. 収納力を向上させた効率的な住空間の工夫
Plan 3. コストを抑えつつ快適さを確保するための仕様選び
Plan 1. 住む人の自由度を考慮した1LDKの間取りへ
ターゲットとなる一人暮らしや二人暮らしのライフスタイルに合わせ、ゆとりあるリビング空間を実現するため、2DKの間取りを1LDKへとリノベーションし、現代のライフスタイルに適した間取りへと進化させます。
LDKの入口壁は躯体のため、解体ができず、扉の幅を十分に確保できないため、設置が難しい状況です。
また、キッチンの配置については対面式を考えていましたが、腰高窓やキッチン後方の空間の使い方は住む人によって異なるため、レイアウトを維持し、柔軟に活用できる空間を重視しました。
Plan 2. 収納力を向上させた効率的な住空間の工夫
コンパクトだった水回りを一列に集約し、居室スペースを調整することで効率的な間取りを実現します。さらに、従来の洗面台スペースを収納へと活用し、LDKや洗面室の収納力を向上させ、機能性と快適さを兼ね備えた住まいへと仕上げます。
また、広さに余裕のある居室の収納は、必要最低限のクローゼットを設けることで機能的に整理し、すっきりとした無駄のない空間を確保します。
さらに、希少な2面バルコニーを備えた物件で、居室にもバルコニーがあるため、室内に十分な自然光が差し込み、明るく快適な時間を過ごせる住空間を実現しています。
Plan 3. コストを抑えつつ快適さを確保するための仕様選び
地域の価格動向を考慮し、コストを抑えながらも快適な住空間を実現するため、これまでの仕様の機能性やデザインを大きく変えずに、洗面化粧台やキッチンを選定し、リノベーションを進めます。これにより、予算を有効に活用しながら、住まいの利便性と美観を維持し、より快適な暮らしを提供できるよう工夫しています。
・間取りBefore/After(予定)
物件取得後、解体工事に入ります。
工事の状況は順次更新していきますので、次回更新をお待ちください!