今回は、洗練と創造が交差する街角「渋谷区神宮前5丁目」に位置する築26年中古マンションのリノベーションをレポートしていきます。
目次
1.地域情報
・神宮前 名前の由来
「神宮前」という地名は、明治神宮の表参道の前に位置する地域であることから名付けられました。
1920年(大正9年)に明治神宮が創建され、その参道として表参道が整備されると、その周辺一帯が「神宮の前にある町」という意味で「神宮前」と呼ばれるようになりました。
・地域の歴史
神宮前一帯は、江戸時代以前は農地地域で、徳川家康の時代には大名屋敷地として利用されました。
明治時代に明治神宮が創建されると表参道が整備され、街の発展の基盤となります。参道としての役割に加え、景観づくりや街の顔としても重要な通りとなりました。
行政的には、1965年(昭和40年)の住居表示制度によって従来の「原宿町」「竹下町」「穏田町」などの町名が整理され「神宮前」が成立しました。
戦後から昭和後期にかけては、原宿・表参道エリアがファッションや若者文化の発信地として発展しました。表通りには海外ブランドの旗艦店が立ち並び、裏通りでは「裏原宿」と呼ばれる個性的なショップやクリエイターの活動が盛んになりました。
近年では、再開発が進み、新たな商業施設や文化施設が次々と誕生しています。これにより、伝統と新しさが共存する街へと変貌を遂げています。神宮前は、歴史ある明治神宮を中心にしながら、流行とカルチャーを生み出す舞台として進化し続けています。
・鉄道の歴史
神宮前周辺の鉄道の歴史は、1906年(明治39年)に開業した山手線・原宿駅から始まります。当初は小さな駅舎でしたが、1920年(大正9年)に明治神宮が創建されると参拝客の玄関口として急速に重要性が高まりました。
1936年(昭和11年)には東京メトロ銀座線が表参道駅まで延伸し、1972年(昭和47年)には東京メトロ千代田線が明治神宮前駅まで開業。2008年(平成20年)には副都心線が明治神宮前駅に乗り入れ、都心と主要路線が直結しました。
現在、神宮前エリアは原宿駅・表参道駅・明治神宮前駅を中心とした重要な交通拠点となっています。とりわけ明治神宮や表参道へのアクセスや観光・ショッピングで国内外の利用者でにぎわい続けています。
■「表参道駅」から東京メトロ千代田線・半蔵門線で「大手町駅」まで約14分
■「表参道駅」から東京メトロ銀座線で「銀座駅」まで約13分
■「渋谷駅」からJR湘南新宿ラインで「新宿駅」まで約4分
■「渋谷駅」からJR山手線で「品川駅」まで約13分
・これからの神宮前周辺
GINSEN表参道プロジェクト
表参道ヒルズの裏手一帯を対象とし、超高層ビルではなく周囲の景観に配慮した地上3階・高さ14mの商業施設ビルが建設予定です。ファッションや飲食などの魅力的な商業施設を誘致し、表参道の街並みと調和しながら、さらなる魅力向上を目指します。完成は2027年6月頃を予定しています。
原宿駅旧駅舎跡地開発計画
歴史的価値の高かった旧駅舎の撤去を惜しむ声を受け、現駅舎の北側に旧駅舎の外観を活用した商業施設を併設します。JR原宿駅と一体化した新しい建物で、駅直結の利便性を備えた施設となります。完成は2026年度冬の予定です。
JR東日本HPより:https://www.jreast.co.jp/press/2024/tokyo/20240423_to02.pdf
神宮前五丁目地区まちづくり方針(案)
渋谷から表参道などとの結節点として多様な人が行き交う「神宮前5丁目」で進められている都市再生プロジェクトです。
老朽化した旧「こどもの城」の跡地を活用し、都立中央図書館を移転・整備する計画を中心に、地域の知的・文化的活性化を目指します。新図書館はAIリサーチ支援など先進技術を導入し、学び・創造・交流の拠点となる予定です。周辺の大学や文化施設との連携、オープンスペース整備も進められ、未来志向の都市空間を創出します。
東京都HPより:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/machi_project/toshi_saisei/saisei10
※【リノベ事例】渋谷区宇田川町/リノベーションプロジェクト にも周辺開発を掲載しています。
・周辺施設
明治神宮
約10万本の樹木で覆われる境内は、全国から献木されたもので、100年という長い時間をかけて育ち、四季折々の美しさを感じられる場所となりました。また、元旦の初詣だけでなく、季節ごとの伝統行事も行われ、訪れるたびに新たな文化体験ができるのも魅力の一つです。
表参道ヒルズ
旧同潤会青山アパートの跡地を再開発し、2006年(平成18年)に開業した洗練された商業施設です。
建築家・安藤忠雄の設計によるスタイリッシュな建物には、最新のファッションやカルチャーが集まり、常に新しいトレンドを発信。緩やかなスロープ状の通路と自然光を取り込む開放的な空間により、買い物だけでなく散策も楽しめます。表参道の街並みに溶け込み、訪れる人々に豊かな時間を届けます。
MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)
2020年(令和2年)宮下公園はMIYASHITA PARKとして再開発され、渋谷の新たな都市型複合施設として生まれ変わりました。ファッションやカルチャーを発信するショップに加え、屋上には公園やスポーツ施設が広がり、都会の喧騒を忘れられる憩いの場となっています。都市と自然、文化が融合した特別な空間です。
2.物件情報
・立地
渋谷駅、表参道駅、明治神宮前駅のほぼ中心に位置するこの物件は、渋谷区内でありながら周囲に低層住宅が広がる閑静な住宅地にあります。青山通りから奥まった立地のため、非常に落ち着いた住環境です。
・物件の特徴
明るいグレーの外観は重厚感を漂わせ、角部屋が多くなる設計によって建物全体に整然とした美しさが生まれています。神宮前という立地にふさわしい、落ち着きと品格を備えたモダンな佇まいです。
現在、大規模修繕工事を実施しております。工事完了後に写真を差し替えさせていただきます。
明るい光が差し込むエントランスは、ガラスで囲まれた開放的な空間です。都会的で洗練されたデザインが印象的です。
エレベーター前のホールや廊下といった共用部も清潔に管理され、快適な空間が保たれています。さらに敷地内には駐車場と駐輪場を完備しており、日常の利便性にも優れています。
・物件概要
所在地:東京都渋谷区神宮前5丁目
交通:東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅徒歩8分
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階5階建
総戸数:20戸
専有面積:41.80㎡(公募)
築年月:1999年2月
・間取り図< Before>
・室内写真<Before>
次回は、企画の特徴をご案内いたします。
更新まで、どうぞお待ちください。