不動産クラウドファンディングのファンドには、大きく分けて「インカムゲイン型」と「キャピタルゲイン型」の2つのタイプがあります。
本記事ではその違いをわかりやすく整理しながら、特に安定収入を得られる「インカムゲイン型」ファンドの特徴と魅力にフォーカスして解説していきます。
この記事が向いている人
✓ 不動産クラウドファンディングのインカムゲイン型を理解したい人
✓ 不動産クラウドファンディングのキャピタルゲイン型との違いを知りたい人
✓ リスクを抑えて安定的に資産運用をしたいと考えている人
目次
1.インカムゲインとは
インカムゲイン型ファンドとは、投資家への分配金の原資が「インカムゲイン（賃料収入）」であるファンドのことを指します。
不動産クラウドファンディングにおけるインカムゲインとは、対象となる不動産を居住者やテナントに貸し出すことで得られる賃料収入のことです。
たとえば、住居用マンションやオフィスビルなどから得られる賃料から、不動産管理にかかる費用（募集・広告費、修繕費、原状回復費、保険料、管理費など）を差し引いた利益が、投資家への分配のもとになります。
具体的に言うと、ある物件から毎月10万円の家賃収入があれば、年間で120万円の収益が見込めます。この収益の一部が、投資家に分配される仕組みです。
マンションやアパートにお住まいで毎月家賃を支払っている方は、イメージしやすいかもしれません。
その家賃を「もらう側」になるのが、インカムゲイン型投資のイメージです。
賃貸対象は居住用物件に限らず、店舗、倉庫、駐車場などさまざま。不動産を他者に貸し出して得る定期的な賃料収入がインカムゲインです。
2.キャピタルゲインと比べた特徴
キャピタルゲインと比べたインカムゲインのメリット
インカムゲイン型ファンドの最大のメリットは、不動産の価格変動の影響を受けにくく、分配金が安定しているという点です。
たとえ不動産の市場価格が一時的に下がったとしても、すぐに賃料が連動して下がるわけではありません。
そのため、収益の柱である賃料収入は比較的安定しており、分配金が大きく減るリスクは少ないと言えます。
一方、キャピタルゲイン型ファンドは、将来的な売却益（キャピタルゲイン）を原資とするため、物件の売却価格に強く依存します。
想定していた売却益が得られなかった場合は、分配金が減ってしまうことも。さらに、状況によっては元本割れのリスクも考えられます。
安定的に収益を得たい方にとっては、こうしたリスクの低さがインカムゲイン型ファンドの大きな魅力といえるでしょう。
キャピタルゲインと比べたインカムゲインのデメリット
インカムゲイン型ファンドのデメリットは、キャピタルゲイン型のように大きな売却益を見込みにくいため、一般的に利回りがやや低めに設定される傾向があることです。利回りは3～6%程度が相場です。
リスクが低い分、リターンも控えめな「ローリスク・ローリターン型」の投資と言えます。
一方でキャピタルゲイン型ファンドは、物件の売却益が投資家への分配の原資となるため、利回りが高めに設定される傾向があります。相場は5～10％程度です。
また、物件が想定より高く売れた場合には、利回りが上振れする（アップサイドがある）ことも魅力のひとつです。
たとえば不動産クラウドファンディングサービス「投活」では、こうしたアップサイドが発生した例も見られます。
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不動産クラウドファンディング『投活（トウカツ）』: https://to-katsu.com/
インカムゲイン型ファンドでは、この“アップサイド”が基本的に発生しません。その理由は、賃料収入というのはあらかじめある程度安定して予測できるため、「想定よりも多く儲かる」というキャピタルゲイン型のようなサプライズが起こりにくいのです。
その分、大きなリターンはなく安定した収入が見込めるということです。
インカムゲインとキャピタルゲインの比較まとめ
ここまでそれぞれの特徴とメリットデメリットを紹介したので、違いをまとめましょう。比較すると以下のようになります。
| インカム型 | キャピタル型 | |
|---|---|---|
| 配当原資 | 賃料収入 | 売却益 |
| メリット | 安定収入 | 大きいリターン |
| リスク | 低い | 高い |
| 利回りの平均 | 3～8%程度 | 5～10％程度 |
3.インカムゲインはどんな人に向いている？
インカムゲイン型ファンドは、多少利回りが低くてもリスクを抑えて安定したリターンを得たい方にぴったりの投資スタイルです。
また、価格変動に左右されにくいので、不動産市場の動向を見るのが苦手・経験が少ない方にもおすすめです。
最近では、広告やプロモーションに力を入れている「利回りが高いサービス」が注目されがちですが、不動産の知識があまりない方や投資が初めての方にとっては、リスク判断が難しいファンドも少なくありません。
「想定利回りが高いファンド」には、その分リスクも高めなケースが多くあります。利回りが高いので一見魅力的に見えても利回りに惹かれて堅実な投資とは言いにくいのです。
そして、こうした高利回りのファンドの多くは「キャピタルゲイン型」であることがほとんどです。
もちろん、不動産の動向を予測するスキルがあれば、キャピタルゲイン型のファンドでも大きなリターンを狙う戦略もよいでしょう。
しかし、市場予測に自信がない方は、インカムゲイン型を選んでおくと、賃料収入は市場価格ほど大きくブレにくく、収益が安定しやすいので安心です。
4.インカムゲイン型の中でも 特にオススメは？
インカムゲイン型ファンドに興味がある方は「安定した収益を得たい」「リスクを抑えたい」という気持ちが強い方が多いはず。
そんな方にとって、さらに安全性を求めるなら「物件」にも目を向けてみましょう。
リスクが低く手堅い物件としてオススメなのは 「都市部の駅近の住居系（居住用不動産）」です。
オフィスビルや商業施設などの不動産は、景気の影響を受けやすく、賃料が大きく変動することもあります。
一方で、マンションやアパートといった一般の人が住む「住居系」不動産は、景気が悪くなっても賃料の下落は少ないのが特徴なので、安定を求める人にはよいでしょう。
さらに、都心エリアにあり、駅から近いマンションであれば理想的です。
郊外や人口減少が進むエリアの物件では、空室が増え、徐々に賃料が下がっていくケースもあります。しかし、日本全体で人口減少が続く中でも、都市部の駅近物件は依然として賃貸住宅の需要は高く、今後も安定した運用が期待できます。
4.まとめ
不動産クラウドファンディングにおける「インカムゲイン型ファンド」の特徴や、キャピタルゲイン型との違いについて詳しく解説しました。
投資という性質上、どうしても利回りの高さなどのリターンに目が行きがちですが、大切なのは「自分に合ったリスクとリターンのバランス」を見極めること。
今回ご紹介したインカムゲイン型ファンドは、価格変動リスクを抑えながら、安定した収益を得たい方におすすめです。
“なんとなく”ではなく、“なぜ自分に合っているのか”を理解して選ぶことが、納得のいく投資につながります。
今回の内容をヒントに、自分の投資スタイルに合ったファンド選びをしていきましょう！
