不動産投資をはじめるなら、規模が小さく、大きな資金が必要ないためまずはワンルームマンションを!と考える人は非常に増えてきました。
はじめやすくリスクも少ないように思われがちですが、もし失敗すると、数百万円、下手をするとそれ以上の損失になることもあります。
ただ、それって誰もがかんたんに避けていることをわざわざ自分からリスクに近づいている人なんです。
反対に成功している人は、運ではなく実は失敗しないための知識をそなえています。では失敗しない為の知識とは何なのでしょうか。
この記事では、選んではいけないマンション投資法について紹介しています。
選んではいけないマンション投資法を避けることができれば、自ずと成功するための知識どのようなものなのか理解することができます。一つ一つみていきましょう。
目次
1.地方のワンルームマンションは儲からない
7月10日に総務省から住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数の結果が公表されました。
平成31年の全国の人口は、 総計1億2,744万3,563人 |
日本人住民1億2,477万6,364人 外国人住民266万7,199人 |
そこでは、日本人の人口は前年より43万3239人少ない、1億2477万6364人で、10年連続の減少、過去最大の減り幅を記録しています。
総務省の人口の推移と将来人口をみても、令和35年で1億人をきり、令和75年には約半数の6312万人となることが予想されています。
ワンルームマンション投資は賃貸需要が成功のカギとなりますが、人口が減ると空き家が増え、貸家に対しての需要は当然下がります。
今後、入居者の需要が低い地方のマンションを選んでしまうと、入居者が決まらず空室期間が長期化し、計画通りの収支で行えなくなってしまう可能性が高まります。
一方、人口が増えた都道府県は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、沖縄県の5つとなりました。
リスクを抑え安定した家賃収入を得るためにも、東京を中心とした首都圏のワンルームを選ぶことは重要となります。
2.高価な新築ワンルームは割高傾向でコスパが悪い
※参考:三井トラスト基礎研究所「経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由
綺麗な新築であればすぐに入居者が見つかるだろうと思い、中古よりも物件価格が高い新築を選んでしまうと入居者が退去した際に、
同じ家賃では次の入居者が決まり辛く家賃の値下げをしなければならなくなってしまう可能性があります。
いわゆる“新築プレミアム”です。
新築プレミアムとは、新築時に分譲された価格とその新築マンションに誰かが入居して中古になった瞬間の市場価格との差のことを指します。
具体的には、新築マンション4,000万円を購入し、入居した瞬間に売却をしようとすると、実際の価値である3,500万円でしか売れなくなる、この500万円の差のことです。
これは、売買時でも起こりますが、賃貸時でも起こります。
一般的には物件価値の1割~2割減るといわれています。
そのため、マンション投資では新築というだけで高価なワンルームマンションに投資してしまうのは非常に危険です。
新築は中古に比べ価格差もありますが、築年数を追うごとに価格の下落幅も大きいです。
一方、築10年ほどマンションを中古で購入すると大きな下落を終えているため、その後の下落幅は緩やかとなります。
この場合、価格が安く抑えしかも家賃は大きな下落がなく、安定したマンション投資が可能となります
新築は取得後すぐに中古になることを忘れず、はじめから中古マンションを選ぶべきです。
3.節税効果をセールストークにする会社で買ってはいけない
不動産会社の話を聞きに行った際、節税の金額が思ったよりも大きく一番節税効果がありそうな物件を選び購入した。という話をよくききます。
しかし実は、節税効果が大きいのは初年度だけで、その後は大きな節税効果は期待できません。
初年度は、仲介手数料や登記費用、融資手数料等と費用がかかります。
1500万円のマンションを購入した場合は、次のようになります。
このうち、仲介手数料、印紙代、固定資産税の日割り精算分は取得価格に含まれ、購入時の軽費ではなく、毎年少しずつ減価償却をしていくことになるので、注意してください。
それ以外の融資事務手数料30万円、登記費用30万円、保険料3万円(契約期間は10年間)のうち1年分(3,000円)、
管理費・修繕積立金3万円と取得後半年後にかかる不動産取得税20万円、合計約83万円が初年度の経費となります。
翌年以降にかかる費用は、空室や修繕がなければ、ローンの支払利息、管理費・修繕積立金、保険料1年分、減価償却費のみ。
家賃収入も滞りなく入ってきてからは期待していた節税の効果は得られなくなってしまい、あてにしているとその分の計算が狂ってしまいます。
当然、節税効果を無理やりつくるために架空の経費を計上することは違法ですのでしてはいけません。
また、節税効果とは不動産所得が赤字になることですので、節税効果以上に資金が減りますし、節税効果が大きいマンションとは、
割高なマンションとなる可能性が高いためそのようなセールストークをする会社でマンションは買うべきではありません。
4.本やブログに書いてある成功事例を鵜のみにしてはいけない
どこの不動産会社を信用していいかわからず、書店やブログでワンルームマンション投資に成功した実体験を読み、本から得た情報のみで物件情報を収集しよくわからないまま購入してしまった。
という方がいるのもよく聞きます。
しかし、実際その情報は最新ではなく、数年前のもので、法律や社会情勢などがめまぐるしく変化しているので時代にそぐわない内容であることも多いです。
特に個人投資家が書いた本はたまたま自分がうまくいっただけで再現性が低い方法が成功事例として載っているケースが多くあり、ほかの人が再現すると失敗することが多いです。
例えば、自分自身にスキルや経験がないにも関わらず、古い戸建投資で利回り40%!地方にある築古アパートで利回り30%というのを狙うには、あまりにもリスクが高すぎます。
このようなケースでうまくいくのはたまたま購入時期が良かったか、自身でフルリフォームができて、リフォーム代を限りなく抑えることができるといったスキルがある等特殊な場合です。
普通は、リフォーム代がかかりすぎて、想定利回り30%が実質8%になったというリスクが高い割には利回りが見込めなかった場合のほうが多いです。
当然、そのような本には、成功例しか載せず、実際に経験した失敗例は伏せてしまう傾向にあります。
理論に裏打ちされておらず、場当たり的なものを自分がやっても成功すると過信しては絶対にいけません。
本やブログで情報を集めて、分析や勉強をすることももちろん重要ではありますが、実際に10件以上物件を内見する、セミナーに行って最新の情報を手に入れる等現在の時勢を理解し、その時に合った方法を選んでいくことが重要です。
5.最寄駅から徒歩15分以上の物件を買ってはいけない
いくら便利な駅が徒歩圏内といっても、駅まで徒歩何分かが重要です。
※不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「不動産広告に関するアンケート」調査結果より
データによると約半数以上が10分以内と回答。
ちなみに徒歩1分というのは、80mにつき1分としています。
10分以内といっても駅まで800mというと意外と距離を感じてします。
例え、自転車を乗る前提で考えていても8割以上の人が15分の距離が限界だと感じています。
特に女性は、夜のかえり道は特にできるだけ長い距離を歩くことは避けている傾向があり、需要の面をみても必ず徒歩15分圏内の物件を購入するようにしましょう。
そもそも、ほとんどの人がインターネットから物件を閲覧して問い合わせをしています。
条件検索をする際に、徒歩15分以内で検索するため、それ以上の距離だともはやそのような物件が存在していることさえ認識していないわけです。
そのため、空室が長期化される可能性が非常に高くなり、想定していた家賃収入は期待できません。
購入するマンションはできる限り徒歩10分以内、最低限15分以内のマンションにしましょう。
6.仕事が遅い管理会社を選ぶな
管理会社が行う家賃の督促や回収の業務が遅いと、万が一入居者が家賃の滞納をした時に、回収が困難になり更に状況が悪化しかねません。
家賃の督促、回収は初動の早さがモノを言います。
入居者がこの不動産会社には優先して支払わないといけないと思わせるような仕事をしてくれる会社が理想的です。
更には、入居者からのクレーム対応や整備状態などが悪いと更新の際に入居者が管理会社を理由に退去してしまう可能性があります。
管理会社の対応範囲を確認し、何かあればはっきりと伝えるべきです。
それでも改善されない場合は、管理会社の変更を検討しましょう。
入居者に不便をかけてしまうことがあるため頻繁に変えるのはいけませんが、管理会社の変更は新しい管理会社が引継ぎの協力を行うため大きな手間にはなりませんし、費用がかからないことも多々あります。
トラストでは、24時間サポートを導入し、入居者からのクレームや相談にいち早く対応できるよう仕組みを整えております。
滞納した場合でも家賃保証のサービスを行い、オーナーの皆様に迷惑がかからないよう事前にリスクヘッジを行っております。
このように管理会社が積極的にリスクヘッジを行い、マンション投資を成功に導けるようサポートをしてくれる会社を選択してください。
管理会社の探し方についてはこちらの記事もご参照ください。
7.予想外の出費を想定内として準備しておく
ワンルームマンションを経営する上で、どうしても経年劣化などで出費が必要となることがあります。
全く想定をしていないと急に請求されて支払えない、なんてことになったら大変。
入居者が生活をするうえで大切な設備はいずれ壊れるかもしれない、交換が必要になるかもしれない、と心がけておくことが大事です。
下記は主な設備の耐用年数をまとめてみました。
これ以上、経過するといつ交換となっても不思議ではありません。
築30年のマンションだといつ100万円単位の修繕があっても対応できるよう資金を準備しておきましょう。
また、耐用年数よりも早く故障した場合は、修理を依頼することもあると思います。
その場合、修理と交換、どちらがいいか判断する時間が短い中でも冷静に判断しなければなりません。エアコンのケースをみていくと、修理費は次の通りです。
エアコン修理費一覧
項目 | 料金 |
ルーバー交換 | 7,000~23,000円 |
冷媒ガス補充 | 12,000~25,000円 |
基盤交換 | 21,000~32,000円 |
内部点検 | 5,000~8,000円 |
室外機修理 | 20,000~110,000円 |
室外機基盤交換 | 24,000~36,000円 |
ガス漏れ修理 | 61,000~110,000円 |
コンプレッサー交換 | 58,000~105,000円 |
ちなみに一般的なワンルームマンションに取り付けるエアコンであれば、標準工事付きで6万円~10万円で交換が可能です。
軽易な故障であれば、修理で対応するほうが費用をかけずにすむこともありますが、そうでなければ、経年が10年を経過せずとも交換したほうが経費をかけずに対応ができることもあります。
このような場合は業者や管理会社の意見を聞きながら、決断してください。
8.マンション経営には管理費・修繕積立金があることを忘れてはいけない
必ず支払わなければならないものとして毎月かかってくるものがマンションの維持・修繕に必要な、管理費・修繕積立金です。
それらもいずれかのタイミングで値上がりすることがあります。
ライフルホームズのマンション管理実態調査2によると、全体の3・4割の人が当初の時期よりも値上がりしたと答えており、
実際には築5年・15年の時期に変化が起こりやすく、国土交通省のマニュアルによると12年おきに行っている例もあります。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
それは新築時に販売しやすいよう当初の金額を低めに設定することが多いからです。
マンションの価格から管理費・修繕積立金は分譲した不動産会社が決めますが、購入後の運用はオーナー達にかわり、分譲した不動産会社は一切関与しなくなります。
そして、初めての大規模修繕工事案を検討する際に不足していることに気づき、値上げが行われます。
新築で購入した場合は、将来的に管理費・修繕積立金が値上げすることも想定しておかなければなりません。
また、中古マンションを購入する際は、必ずマンション管理会社が作成した重要事項調査報告書を確認しましょう。
現在までに積み立てられた修繕積立金が少ないにも関わらず、大規模修繕工事の時期なれば、当然値上げ案が総会で議論されておりますし、もしかしたら、すでに値上げされているかもしれません。
今までの管理状況が把握できるため購入する前には必ず確認してください。
9.新耐震基準をクリアしている物件を選ぶ
地震大国の日本であれば地震のリスクはつきものです。
そのため、大規模な地震が起こる度に建物が倒壊・崩壊しないよう耐震性が強化されてきました。
中でも重要なのが、昭和56年の改正です。
昭和56年の建築基準法改正を境にいわゆる新耐震基準と旧耐震基準に分けられるようになりました。
新耐震基準と旧耐震基準の違いは大きく、昭和56年6月1日からの新耐震基準をクリアしている物件であれば、
・震度5程度 部材の各部が損害を受けない
・震度6以上 倒壊または崩壊するおそれがない
と大地震であっても倒壊までは防ぐ耐震性を備えております。
一方、旧耐震基準の物件は震度5程度で倒壊または崩壊するおそれがないと定められており、それ以上の大地震については言及されておらず、危険です。
基本的には新耐震基準の物件を選ぶようにしましょう。
旧耐震基準の時期に建てられた物件であっても新耐震基準を満たす物件であれば安心です。
なお、新耐震基準は昭和56年6月1日以後に建築確認のされた物件です。
中には昭和57年以降に建てられたものでも旧耐震基準の物件が存在するので、注意しましょう。
購入する際は、建築確認の記載事項証明書をみて、本当に昭和56年6月1日以後に建築確認された物件か確認してください。
まとめ
いかがでしたか。失敗しないマンションの選び方だけでも
・東京都のマンションを選ぶ
・中古マンションを選ぶ
・節税効果をセールストークにする不動産会社からは買わない
・徒歩15分以内のマンションを選ぶ
・新耐震基準の物件を選ぶ
と5つありました。
それ以外は考え方や管理会社の選び方でチェックする項目は多岐にわたります。
初めは一見分かり辛いかもしれませんが、一つ一つ絞っていくことは難しいことではありません。
丁寧に物件を精査すれば、成功するマンションを選ぶことを見つけることが必ずできます。
ぜひチャレンジしてくださいね。
ほかにもトラストブログでは、失敗を元に成功する記事をご紹介しております。
ぜひご覧になってください。
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