自分の老後資金について考えたことありますか?
会社員として毎日忙しく働いていて、子育てでなかなか時間が取れないなんて方だと、老後なんて先のことまで考える時間はなかなかありませんよね。
そもそも老後に必要になる資金って、一体いくらくらいなんでしょうか。
世の中の老後資金に関する話題に目を向けると、「老後は1億円必要」という記事や「最低3000万円ないと破綻する」なんてものも見かけます。
今回、私個人の生活費をベースにもらえる予定の年金額などをもとにリアルな試算をしてみたところ、1億円や3000万円がなくても生活できそうだということが分かりました。
実際に老後を迎えた時に生活費がどのように変化し、老後にいくらの資金があればよいのかということをまとめてみました。
ぜひ私がやった流れで、生活費を自分自身に置き換えて老後資金を計算してみることをおすすめします。
少し怖いかもしれませんが、老後の漠然とした不安をかかえて毎日を過ごすよりも、明確にすることで自分のやるべきことが見えてくることもあるかもしれません。
目次
1.老後の必要資金は最低「25万円」ゆとりある生活には「35万円」
総務省による調査では「平均的な老後資金は毎月25万円程度」となっています。
ただし生活費に余裕をもたせるなら、毎月「35万円」も必要です。
ちなみに年金の2018年標準支給額は以下の通りでした。
・厚生年金の標準支給額は156,336円(年収513万×40年)
・国民年金の支給額は64,941円(満額納付時)
参考:厚生労働省 平成30年度の年金額改定
例えば厚生年金で毎月15万円貰ったとしたら、平均的な生活を送るにしても「25万円-15万円」で10万円も足りません。
ゆとりある生活のために「35万円-15万円」で20万円足りないです。
その分を補う貯金が必要となってきます。
次の章で老後に必要になる生活費の内訳を具体的にみてみましょう。
2.60代の平均的な生活費の内訳を見てみよう
先ほどお伝えした25万円の内訳ですが、総務省が公表している家計調査というデータを見ると以下のようになっていました。
住居費が少なくなっているのは、社宅や寮などの家賃が安いものを含んでいるからです。
それでも60代の人の平均的な支出は29万円を超えていますし、もし賃貸住宅でもっとお金がかかるとしたら先ほどお伝えした25万円では全然足りなさそうです。
これらのデータは、実際に現在の高齢者にアンケートを取った結果なので、自分に当てはめて考えた時に老後資金はどのくらい必要になるか計算してみました。
3.自分はいくら必要になるんだろう?実際に計算してみた
まず、私の大体の生活費の内訳をなるべく正確にまとめてみたところ、以下のようになりました。
これは毎月の貯金額を含めていない支出ですが、こうして支出をまとめてみると、今の生活レベルを維持するなら最低でも20万円ほど必要ということが分かります。
また厚生年金に加入していますので、現在の収入を考えると受給額は12万円程度になりそうです。
つまり今が老後だとしたら、生活費20万円と年金12万円の差である「8万円」が足りないということになります。
8万円×20年(240ヶ月)=1920万円
今からでも1920万円を貯めることができれば、老後の生活費は何とかなりそうです。
また生活水準を下げて節約すれば月に20万円もいらないかもしれません。
1920万円という金額も、今から貯金していけば何とか作れそうな金額ではありますが、貯金と節約以外でもできることは無いかを考えてみました。
4.老後の生活費を確保するために今からできること
先ほどの生活費は私が今の年齢で生活した時の費用です。
65歳を過ぎる頃になれば費用に違いは出るでしょうし、今までのように支出しなくていい費用も出てくるはずです。
そこで今度は、老後の生活費がどのように変化しそうか、もし老後の生活費が足りないならどうすればよいかを考えてみました。
4-1:老後の生活費の変化を把握する
老後の生活費を確保するなら、まずはその老後の生活費がどのように変化しそうか把握しなければいけません。
趣味に没頭したいという人はその分の費用がかかるでしょうし、出かけることが好きな人は交通費や旅費がかかるでしょう。
そこでまず、先ほどご紹介した私の生活費が、老後を迎えた時にどのように変化しそうかまとめてみました。
結果は以下のとおりです。
食費はあまり食にこだわりがないため変わらず1日1500円位で計算しました。
独身のままなら老後は少し田舎の方に引っ越ししてゆっくり過ごしたいので、家賃は1万円安くしました。
生命保険は掛け捨てで安いものに加入していますが、老後は同じくらいの保険料ですむ死亡保証付きの医療保険に切り替えようと思っています。
ローンはもちろんなくなりますし、他にも携帯代や交際費、その他の出費も安くなるように節約ベースで考えました。
その結果、生活費は16万円弱まで落とせました。
もしかすると、もっと安い家賃の家が見つかるかもしれませんし、食費も節約すれば4万円以下になるかもしれません。
4-2:それでも足りないので資産運用を考える
先ほどの計算なら生活費は16万円まで落とせましたが、それでもまだ、年金の受給額12万円に対して3.8万円足りていません。
貯金はありますが、正直これは老後の万一の際にとっておきたいと考えていますし、できるならもう2万円くらい上乗せして5.8万円くらいの余裕をもてれば、趣味を見つけて毎日を楽しめそうな気がします。
それを踏まえて、改めて老後に足りない額を考えると…
5.8万円×20年(240ヶ月)=約1400万円
やはり1000万円以上必要になってしまいました。
どうやら節約だけでは、ゆとりある老後は送れなさそうです。
そこで「資産運用したらどうなるか」ということを考えてみました。
以下の記事の2章でも書きましたが、資産運用で利回り1%の商品に月1万円ずつでも積み立てていけば、30年で600万円くらいにはなります。
節約したとしても最低1400万円は欲しいので、改めてシミュレーションしたところ、毎月3万円を利回り2%で運用するか、毎月2万円を利回り4%で運用すれば良いことが分かりました。
これなら毎月の生活費に余裕が持てますし、趣味にお金を使うことができそうです。
早めに始めることで運用期間が長くなりより資産を増やしたり、または利回りは少し低くてもリスクをかぎりなく抑えて運用することもできます。
私は30代後半なので20代からやっていたら・・お金の勉強を早いうちからしておくべきですね。
4-3:不動産運用を検討してみる
積立をして資産運用をするのもよいですが、
もし不動産をもてて老後毎月6万円とか7万円の家賃収入が得られるとしたらより心に余裕がもてます。
不動産投資といっても今の時代、多額の現金を用意して物件を買う必要はありません。
一般のサラリーマンなら銀行のローンを利用して、今からでも運用を始めることができます。
つまり、今のうちに不動産をローンで購入しておいて、65歳になる頃に合わせて完済すれば家賃はまるまる自分のものになるという作戦です。
ローンというと「借金」というイメージで身構えてしまいますが、実際返済は他人のお金「家賃収入」で返済します。
しかし、高額なローンを組むアパートなどは資産運用どころか破綻の可能性もありますので、ちょっと避けておきたいですね。
会社員が無理なく買うなら安い中古ワンルームマンションが良いかと考えます。
東京なら安くても月6万円の家賃収入が得られますし、そこに資産運用で積み立てた資金を合わせたとしたら毎月10万円以上の収入になります。
そうなるともはや、節約も必要ないかもしれません。
そんな不動産による資産運用のメリットは、以下の記事でもまとめられていますので、参考にご覧ください。
老後資金のことを考えるなら「節約」と「貯金」は大事ですが、もし「年金と貯金でも足りない」という場合は、今のうちから不動産を持つことや資産運用を考えるのもありかもしれないです。
5.老後を貯金1000万円で過ごす方法もある!
ここまで、私の生活費をベースに考えてみましたが、最低でも1400万円くらいはどうしても必要になることが分かりました。
今から1400万円用意するとして、30年かけて積み立てたとしても約4万円ずつ貯金しなければいけませんし、もしこれをお読みの方が40代の方なら、約6万円ずつ貯金しなければいけません。
今までの貯金とは別に、更に4万円や6万円を用意するのはちょっと厳しいですよね。
そこで、老後資金が1000万円以下でも生活できる方法をご紹介したいと思います。
5-1:老後も仕事を続ける
「年金だけじゃ足りない!」
それを解決するには資産運用を始めると良いとお伝えしましたが、あくまでそれは1000万円を超える資金が必要な場合です。
もし、65歳を迎えて貯金が1000万円以下しかないのなら、思い切って仕事をしてみてはどうでしょうか。
最近では70歳を過ぎても簡単なアルバイトをしている高齢者が増えていますし、そもそも65歳になっても健康である自信を持っているなら、思い切って働きに出ても良いかもしれません。
5-2:住居費を極限まで下げる
先ほどご紹介した私の生活費の中で、最も高く付いたのが「家賃」でした。
家賃というのは収入の3割を占めることがほとんどですので、思い切って家賃がもっと安いエリアに引っ越してしまうという手もあります。
あまりにも不便で田舎すぎる場所はかえって危険ですが、都心から離れると3万円台で広い部屋が借りられたりします。
老後を迎えてからの毎月2万円の差は大きいです。
特に住居にこだわりがなければ、最低限の設備と広さがある部屋を地方エリアで探してみれば、1000万円以下で生活するために大きく貢献するでしょう。
5-3:趣味以上、労働未満の趣味を作る
働く以外で収入を得られるものとして「不労所得」があります。
不労所得にも色々種類がありますが、先ほどご紹介した投資用の不動産も立派な不労所得になります。
他にも、高齢になってからブログを始めて稼ぐ人もいますし、趣味の範囲で作った雑貨を売って収入を得ている人もいます。
最近は、趣味で撮影した写真をインターネットで販売して収入を得ている人もいますね。
老後だからできる、もしくは老後も続けられる趣味や特技を今のうちに見つけておくと、貯金1000万円が用意できなくても、年金に上乗せできる不労所得を得ることに繋がります。
他にも、老後資金が1000万円未満でも安心して暮らす方法を以下の記事でも解説していますので、是非ご参考になさってください。
まとめ
老後資金がいくら必要かということは、その人それぞれで違いますよね。
本当に最低限の質素な生活で十分という人もいれば、ある程度余裕をもって趣味に旅行に時間を費やしたいという人もいるでしょう。
そういった意味でも今回は、老後資金は最低限これだけ必要になるということを前提に解説させていただきました。
当然、上記で試算したものが全てではありませんし、生活レベルによって数字は全く違うものになります。
まずは自分が老後を迎えた時にどうありたいか、それを実現するためにはどういった生活レベルで、支出をどうするかを考えてみましょう。
その上で、年金、労働、その他不労所得などによる収入をいくら確保すべきか考えると、自ずと答えが見えてきますよ。
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