中古マンション購入時の注意点|後悔したくない人のチェックポイント

中古マンションの魅力は、価格はもちろんのこと、物件の豊富さ、現況確認の後に購入できるなど様々なメリットがあります。

しかし、中古マンションは物件の豊富さのあまり、良い物件からイマイチな物件まで様々です。

お値打ちかと思えば、実は安い分『設備・性能が不十分』『立地が悪い』『実は心理的瑕疵がある』などの注意点があります。

特に中古マンションは新築マンションと比べ、利回りが想定しやすいです。

それには、まず、なにを確認すべきかというところを知らなくてはなりません。

この記事では、中古マンションの購入時に確認すべき点・注意すべき点を徹底解説。

購入する手順に沿って説明しますので、最後まで読めば、購入検討中の物件が「お宝物件」なのか、「手を出してはいけない物件」なのかがわかるようになるはずです。

「人生で最大の買物を後悔せずに購入したい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。


1.中古マンション購入時の注意点とは【チェック項目付】

ここでは、中古マンションの購入の流れに沿って、注意点を確認していきましょう。

購入の流れ チェック項目
ライフプランシミュレーション・予算の選定 ① キャッシュフロー表を作成する
物件検索

 

② 物件情報を正確に把握する
③ 完成時期は1981年6月以降である
④ 取引態様を確認する
現地見学(内見)

 

⑤ 建物・室内の確認
⑥ 周辺環境の確認
⑦ 防犯の確認
購入申込 ⑧ 値引き交渉のポイント
住宅ローンの事前審査 ⑨ 事前審査のタイミング
重要事項説明・売買契約 ⑩ 管理規約・規約細則と重要事項にかかる調査報告書を確認する
⑪ 建物状況調査の実施の有無
住宅ローンの本審査と契約 ⑫ 健康状態に問題ないか
残金決済、物件引渡し ⑬ 必要な持ちものを忘れない

ではそれぞれの注意点について、詳しくみていきましょう。

1-1:ライフプランシミュレーションと予算の選定

ライフプランシミュレーション・予算の選定 ① キャッシュフロー表を作成する

早速、物件を検索したいところではありますが、その前にどのような生活設計をしていくか、家族で話し合いをしてみましょう。

住宅ローンを利用する場合は、現在の収入や家計の状況を把握するために、資金計画を考えることが重要です。

現在は、低金利のため、金融機関から借り入れも比較的しやすいといえます。

しかし、借りられる額=返せる額ではありません。

いくら満足のいくマンションを購入できたとしても、毎月の支払いに困窮すると、家族関係に大きな亀裂ができたり、支障が出てくる可能性もあります。

返済計画は慎重に考えていきましょう。

チェック項目①:キャッシュフロー表を作成する

※キャッシュフロー表は下記の記事から無料でダウンロードできます。

≫ライフプランニング表テンプレートのエクセルでの作り方|人生設計シミュレーション

これから、十年、その先にわたって想定される家族のイベントとその予算を書き出します。

また、教育費をいくら捻出するか予定を立てます。

ちなみに文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」によると幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間について、各学年の教育費総額を単純合計すると、全て公立に通った場合では約540万円、全て私立に通った場合では約1,770万円となります。

さらに、大学4年間を加えると、国公立で約260万円、私立で約540万円の教育費が増加します。

ローン支払い可能額

【ケーススタディ】毎月の支出に回せる金額35万円

生活費:12万円

教育費:5万円

ライフイベント費用・積立:3万円

合計20万円

上記から実際マンションを所有する際にかかるコストを差し引くと、毎月住宅ローンの返済にあてられる金額が出ます。

管理費・修繕積立金・固定資産税:5万円

35万円-20万円-5万円=10万円 (支払える住宅ローンの額)

この金額をもとに、最後に住宅ローンの条件をあてはめると、予算の目安を確認することができます。


毎月返済額10万円

ボーナス返済なし

金利1%

返済期間 25年 約2,650万円

30年 約3,100万円

35年 約3,540万円

返済期間が35年の場合、約3,540万円が購入の目安となりました。

購入の目安がわかると頭金をいくらにしよう、物件は郊外にしようと現実的な計画が立てやすくなります。

次に予算が分かったところで物件を検索してみましょう。

1-2:物件検索は新耐震基準をチェックするなど注意点は3つ

物件検索

 

② 物件情報を正確に把握する
③ 完成時期は1982年以降である
④ 取引態様を確認する

予算を目安に希望のエリア、間取りに沿って物件を探していきます。

物件検索をする際、検索条件を入力しますが、予算よりも「少し高め」に設定して検索しましょう。

値引き交渉によって、予算内で購入できる可能性があるため、条件は少し高めに設定することがポイントです。

次に物件の詳細情報を確認していきますが、まず確認すべきはその物件の情報量の多さです。

文字や写真の数が豊富だと、物件のセールスポイントや必要な情報が一目で分かります。

情報量が多い物件は、担当者がその物件について十分に把握していることはもちろん、仕事が丁寧なため信頼できる人物の可能性が高いです。

 

チェック項目②:物件情報を正確に把握する。

チェック項目は下記です。

・通勤・通学には便利な立地か

・スーパー、商店街、コンビニ、病院等の利便性が高いか

・ペットの飼育は可能か

・総戸数が少なすぎないか(最低15戸以上)

・リフォームの必要性の有無

・必要な施設・設備があるか

・角部屋か中部屋か

・階数・方角に問題ないか

チェック項目③:建物は完成時期が1981年6月以降の新耐震基準である。

建築基準法施行令の改正によって新しい耐震基準(いわゆる新耐震基準)が、1981年(昭和56年)6月1日に施工されました。

この日以降に建築確認を受けた建物に対して、新耐震基準が適用されています。

新耐震基準の建物の強度は、「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと」「震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと」という基準があります。

旧耐震基準では「震度5で倒れない」だったのが、新耐震基準では、中規模地震である震度5では軽いひび割れ程度で済むように建築する必要があるということです。

そのため、大幅に建物強度は向上しております。

倒壊のリスクを抑えるためには、必ず新耐震基準の物件を選択しましょう。

しかし、建物によっては1982年前半頃の竣工でも、建築確認が1981年6月以前のため旧耐震基準で建てられている場合が考えられます

その場合は、契約前までにいつ建築確認を行ったかわかる「建築確認済証」を入手しているため、正確な判断が可能です。

但し、現在は旧耐震基準の物件の耐震診断、耐震補強が進められております。

耐震診断や補強工事の結果、問題がない場合は購入検討の余地はありそうです。

 

チェック項目④:取引態様を確認する

取引態様は『媒介』なのか『売主』になっているのか、必ず確認しましょう。

媒介の場合、不動産業者に仲介手数料が発生しますが、売主の場合は発生しません。

400万円以上の取引の場合は、売買価格の3%+6万円(税別)の仲介手数料がかかります。

売買価格が3000万円の場合、仲介手数料が約103万円です。

仲介手数料分を節約できれば、引越費用や家具・家電の購入費用に充てることができます。

 

1-3:いよいよ現地見学(内見)!見学に持っていくもの、チェックポイントとは

現地見学(内見) ⑤ 建物・室内の確認
⑥ 周辺環境の確認
⑦ 防犯の確認

気になる物件が見つかりましたら、不動産業者に問い合わせして現地見学です。

大事な機会となりますので、しっかり準備してから、現地確認をするようにしましょう。

<見学当日に持っていくもの>

・筆記用具

・メジャー

・物件チラシ

・チェックリスト

・カメラ

・スリッパ

何件も訪問しておりますと、どの物件だったか、忘れがちです。

1件1件、メモと写真をとりながら、進めていきます。

その際、チェックリストがあると、より詳細に後日確認が可能です。

以下のリストは「不動産ジャパン」というサイトが提供しているものです。

≫チェック項目例はこちら(不動産ジャパンWebサイト)

建物・室内、周辺環境、防犯と3つに分けてチェックリストが用意されているため、非常につかいやすいです。現地見学の際はもっていくとおすすめです!

スマートフォンがあれば、メモ、カメラ撮影する際に便利です。

スリッパは、基本的に不動産業者または売主が用意してくれますが、そうでない場合もあります。

居住中では特に問題ありませんが、空室の場合は状況によって用意しましょう。

 

チェック項目⑤:現地見学 建物・室内編

基本的には案内してくれる方が誘導してくれるので、その案内に沿って、物件を確認していきます。

写真や設備をチェックする際は、案内してくれる方にその旨を伝え、売主の許可を得てから行うようにしましょう。

 

・玄関

靴棚の大きさや、玄関周りの汚れ具合を確認します。

扉の開け閉めや、靴棚の奥もチェックするようにしましょう。

マンションは気密性が高いため、お風呂使用時に換気など日ごろから適切に行っていないと、玄関まわりが特に結露を起こしやすく、カビが生えやすいです。

汚れだけではなく、カビの状況もチェックします。

 

・リビング・キッチン

リビング・キッチンの広さ、キズ、汚れを確認します。

冷蔵庫置場はコンセント位置とパンのサイズを測ります。

次は、設備の確認です。

コンロ、レンジフード、浄水器、食器洗浄機、照明器具、エアコン、給湯器など。

実際にON/OFFの確認をしてみましょう。

コンセントの数、テレビの端子の数、電話・LANケーブルの位置などを確認します。

エアコン、照明器具はこちらに引き渡してくれるのか、それとも、売主が持ち出すのかも確認するようにしましょう。

また、エアコンの位置についても注意が必要です。

標準工事で対応できるのであれば、問題ないのですが、建物の内側にエアコンが設置されていますと、工事や交換の際、追加料金が発生することもあります。

給湯器とエアコンの製造年月を確認します。

10年以上経過している場合、いつ壊れてもおかしくありません。

対応できるよう予算を計上しておくと、安心です。

できれば、入居前に交換しましょう。

 

・バスルーム・脱衣所・トイレ

一番汚れやすい個所です。

天井、床を確認し、カビや汚れの状況を確認します。

次に設備の確認です。

シャワー、換気扇、浴室乾燥機、洗浄便座、洗面台など。

実際にON/OFFして確認してみましょう。

洗濯機置場のサイズも測ります。

 

・洋室、和室

収納や居室内の広さ、キズ、汚れを確認します。

タンス等配置予定箇所は、メジャーで測量します。

 

・共用部分のチェック一覧

チェック1:配達ロッカーの数は問題ないか

チェック2:エントランス、廊下、ごみ置場等清掃や整理がされているか

チェック3:駐輪場、駐車場の空き状況。機械式の場合、利用可能なサイズの確認。

チェック4:管理人の勤務時間

チェック5:共用設備の利用時間や料金

チェック6:防犯カメラ、オートロック等の設備状況

チェック7:住民のマナー

 

チェック項目⑥:現地見学 周辺環境編

現地見学の後は、なるべくなら徒歩で帰り、周辺環境を確認しましょう。

歩くことで、実際の駅までの距離や看板、掲示物で地域の情報が把握できます。

・駅またはバス停までの距離

・スーパー、商店街、病院、公園等の施設はあるか

・小学校、中学校までの距離

・建築予定の建物はないか

・ハザードマップや防災情報は確認したか

 

チェック項目⑦:防犯

地域の治安や建物の防犯設備が問題ないか確認しましょう。


地域

・夜間の人通りは問題ないか

・死角はないか(大きな塀や植栽、空家、見通しのきかない路地など)

・地域の防犯情報や治安状況の確認


建物

・オートロック、防犯カメラの数

・テレビモニター付インターホンの有無

※マンションにオートロックが設置されていない場合、個人で設置することが可能です。

※交換する際は、管理組合に確認してください。

・ダブルロック、ディンプルキーなのかどうか

・防犯シャッター(1階)

 

1-4:購入申込

購入申込 ⑧ 値引き交渉のポイント

物件を見学し、購入意欲がわいたら、購入申込書(買付申込書)の記入です。

現地であれば、物件の主要項目を不動産業者が記入してくれますが、後で送付する場合は、購入申込者本人が記載する必要があります。

購入申込者 氏名、住所
購入価格
土地 地番
建物 延床面積
構造
支払条件 手付金
内金
引渡時金
融資条件 依頼先
申込額
その他 融資特約の有無
有効期限
その他条件

物件チラシや登記簿謄本を基に、購入申込書を記載していきます。

手付金は購入価格の5%~10%が一般的です。

住宅ローンを利用する際は、融資特約を「有」にしましょう。

融資条件は分かる範囲で記載してください。

その他の条件は記載しなくても問題ありませんが、「各種書類確認後の契約」と記載しておくと、万が一、問題となる事実が判明した場合、契約前であれば、いつでもキャンセルが可能です。

 

チェック項目⑧:値引き交渉のポイント

中古マンションの販売価格は、売主の希望と不動産仲介会社が同物件、または類似物件の取引事例、周辺相場を分析し、その上で考慮して決めていきます。

一般的に売出し開始すぐの価格は、売主の希望が強くでており、高めの価格が設定しております。

この時点で、購入申込がいくつもはいると値引きに応じる可能性は低いですが、時間の経過とともに値引きに応じる(指値)可能性が生まれてきます。

実際の値引交渉で多いのが、価格を切りの良い数字にすることです。

例えば、3,580万円が販売価格の場合、端数を切り捨て、「3,500万円」や30万円引きで「3,550万円」といった具合です。

その他では、5%~10%の値引きというのも多いです。

それ以上の値引きを依頼する場合は、売主の意向を知る必要性があります。

例えば、住宅ローンを利用して購入した売主は、

ローンの残債や仲介手数料を含めた金額が、販売価格いかであれば、持ち出しがなく、損した気分になりません。

上記の条件に合うギリギリの金額であれば、売主の気分を害さず、値引きに応じても不思議ではありません。

では、ローンの残債がいくらか予想するためにどうすればいいのでしょうか?

それは、登記簿謄本の抵当権に借入額(債権額)が記載されておりますので、これを設定日からローンシミュレーションを行うと、おおよそのローンの残債額が分かります。

ちなみに一番安く購入できる理由は売主が相続をした場合です。

取得価格が0円で、相続税の支払のため売却を急いでいる場合は、流動性を重視する傾向にあります。

 

1-5:住宅ローンの事前審査

住宅ローンの事前審査 ⑨事前審査のタイミング

事前審査は、「現状わかっている情報のみでする審査」のことをいいます。

年収、勤務先、資産状況または借り入れ状況などから、おおまかに判断されます。

事前審査時には、金融機関が個人信用情報機関に照会して申込者の借り入れや返済の状況などを確認します。

事前審査とはいえ、申込書にはできる限り正確な情報を記載しましょう。

<事前審査時に必要なもの>

・印鑑・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)・源泉徴収票または確定申告書・事前審査申込書・物件チラシ

チェック項目⑨:事前審査のタイミング

事前審査には約1日~1週間ほど時間を要します。

事前審査中に申込した物件に他の人から購入申込があった場合、支払条件が現金だと後から申込があったとしても、その方が優先される可能性高くなります。

また、同じく住宅ローンを利用される方から購入申込があった場合でも、事前審査を通過済みだとその方が優先されることもあります。

さらにいうと、不動産会社の担当者によっては、事前審査を通っていない購入申込をそもそも受付けません。

では、どうすればいいのか。

事前審査は現地見学の前に済ませる。

これで、問題ありません。

まずは、予算以上の物件チラシを早々に取り寄せ、事前審査を申込み、遅くとも現地見学をしている間に承認をもらいます。

せっかく、気に入った物件があったとしても、購入できなければ行動が無駄になります。

スピーディーな行動を心掛けましょう。

1-6:重要事項説明・売買契約書は隅々まで目を通しぬかりなく!

重要事項説明・売買契約 ⑩ 管理規約・規約細則と重要事項にかかる調査報告書を確認する
⑪ 建物状況調査の実施の有無

売主が契約に同意し、いよいよ契約日が決まりました。

不動産業者は重要事項説明書、売買契約書の作成に取り掛かります。

重要事項説明書、売買契約書が完成次第、取り寄せ、契約日までに理解を深めてください。

重要事項の中で、どうしても容認しがたい事項が判明した場合、このタイミングでキャンセルは可能です。

契約以後のキャンセルは手付金を放棄した上で、解除しなければなりません。

痛みを伴わず、キャンセルできるのはここが最後です。

妥協は不要です。必要があれば、キャンセルしましょう。

重要事項説明書に記載されている内容は以下の通りです。

土地・建物に関する事項
売り主、占有状況、登記簿に関する事項
建物状況調査の結果の概要
建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況
都市計画や土地区画整理事業に関する事項
建築基準法に関する事項
敷地と道路に関する事項
ライフラインに関する事項
管理・使用に関する規約等
管理費、修繕積立金の状況
契約の解除、違約金の条項
金銭の貸借に関する事項
その他の事項

続いて売買契約書

売買物件の表示
売買代金、手付金等の額、支払日
所有権の移転と引渡し
公租公課の精算
反社会的勢力排除
ローン特約
負担の消除
付帯設備等の引渡し
手付解除
引渡し前の物件の滅失・毀損
契約違反による解除
瑕疵担保責任
特約事項

添付資料

区分建物全部事項証明書
土地全部事項証明書(敷地権がない場合)
公図
建物図面
台帳記載事項証明書(建築確認済証・検査済証)
管理規約・規約細則
重要事項にかかる調査報告書
道路現況図
ガス埋設図・下水道台帳・水道管管理図
新築時パンフレット
建物状況調査結果報告書

チェック項目⑩:管理規約・規約細則と重要事項にかかる調査報告書の確認

管理規約・規約細則と重要事項にかかる調査報告書は全て管理会社から取得できます。

契約の際は、不動産業者が取得します。

この書類の中で重要な点は5つあります。

1.室内のリフォームができるか
管理規約を確認し、リフォームができるのかチェックします。通常、リフォームが可能な物件がほとんどですが、管理規約で騒音がでるような大規模リフォームを禁止している場合があります。2.管理費・修繕積立金の値上げがあるか
すでに通常総会で値上げが決定している場合や草案が管理会社から提案されている場合があります。今後の支払額が変わりますので、注視してください。3.管理費・修繕積立金の滞納はどれくらいあるか
滞納額が多額だと入居早々に訴訟に巻き込まれ、大変苦労します。
また、管理費・修繕積立金が値上げされる要因です。戸数に対し5%以上あると、住民マナー自体が問われます。入居後、苦労する可能性が高くおすすめできません。4.マンション全体の借り入れがあるか
いつ大規模修繕工事が行われても問題ないほど、十分な積立額があると安心です。
しかし、大規模修繕工事時に積立金が不足したため、管理組合が借り入れをしていることがあります。当初の修繕積立金が十分でなく、将来にむけて負債を抱えている状況です。修繕積立金の値上げや特別修繕積立金等で次回の大規模修繕工事までに解消する予定であれば、問題ありませんが、そうでない場合は資産価値の低下や一時金の徴収等家計に大きな痛手を負います。5.大規模修繕工事その他工事の履歴、予定があるか
2~3年ごと 排水管清掃
10~20年 屋上防水、鉄部塗装、外壁補修
20年~30年 エレベーター・水道管の更新工事工事が定期的に行われ、かつ修繕積立金総額が大規模修繕工事1~2回分あると管理状況は良好といえます。

築年の浅いマンションは当然修繕履歴がなく、積立金総額が少ないため、長期修繕計画書を確認し、将来にむけて問題ないか確認します。
「マンションは管理で買え」といいます。管理状況が良好なマンションは何よりも捨てがたいものです。

チェック項目⑪:建物状況調査の実施の有無

平成30年4月1日から宅地建物取引業法が改正され、新たに建物状況調査(ホームインスペクション)の実施の有無が重要事項説明時に義務化されました。

報告書がある際は、しっかりと確認しましょう。

報告内容は主に、柱・基礎などの構造耐力上主要な部分または外壁・屋根などの雨水の浸入を防止する部分の劣化状況です。

ただし、劣化していたとしても修繕は基本的に管理組合で対応するため、マンションの取引では、建物状況調査はあまり実施されていないのが現状です。

実施していたとしても理由はトラブル防止ではなく、買主の住宅ローンや住宅ローン控除のために「フラット35適合証明書」、「耐震基準適合証明書」の発行とあわせて実施しています。

そのため、費用負担は買主になることが多く、状況にあわせて、利用の有無は判断してください。なお、実施する際は売主の許可が必要になります。

 

そして・・・契約の準備が整い、ついに契約日当日となりました!

契約は原則、売主と買い主が対面して行われますが、売主の契約を先に終え、その後に買主の契約を行う場合もあります。

<契約時に必要な持ちもの>

・実印

・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

・印紙

・手付金

不動産業者への仲介手数料(半金)

■契約日の流れ

持参物、手付金の確認

重要事項説明

契約書の説明

その他、物件状況報告書や付帯設備表、仲介手数料支払承諾書、媒介契約書等の説明

署名・捺印

手付金、仲介手数料の授受

 

1-7:住宅ローンの本審査と契約

住宅ローンの本審査と契約 ⑫ 健康状態に問題ないか

契約が済みましたら、すぐに金融機関に本審査を申し込みましょう。

本審査は結果がでるまで、約1週間~4週間と日数を要します。

ローン特約の期限は余裕をもって設定しますが、期限日までに住宅ローンが未承認だと、契約が解除されます。

解除されることのないよう、早めの行動を心がけましょう。

もし、解除した場合、通常手付金や仲介手数料は返金されますので、ご安心ください。

 

■住宅ローン本審査申し込み

<必要な持ちもの>

・住宅ローン申込書(本審査用)

・団体信用生命保険申込書兼告知書

・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

・住民票(発行から3ヶ月以内)

・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)

・通帳等自己資金を確認する資料

・源泉徴収票または確定申告書(事前審査から最新のものがあればすべて提出)

・不動産売買契約書・重要事項説明書

・台帳記載事項証明書(建築確認済証・検査済証)

・登記事項証明書(発行から3か月以内)

・図面(公図・建物図面・地積測量図など)

・物件チラシ

・借り入れ返済表(その他ローン等があれば)

・健康診断書(必要があれば)

チェック項目⑫:健康状態に問題ないか

住宅ローンの本審査が通らないことはよくあることではありますが、支払能力は問題なくとも「団体信用生命保険」の審査が通らずに住宅ローンを断られることがあります。

団体信用生命保険(団信)とは住宅ローンの契約者が、ローン返済中に死亡や高度障害状態になった場合、金融機関に住宅ローンの残債額が返済されるものです。

団体信用生命保険に加入するには、健康状態の審査があります。

告知内容は主に3つあります。

  1. 最近3か月の医師の治療、投薬があるか。
  2. 過去3年間以内に該当する病気の手術または2週間以上の医師の治療、投薬があるか。
  3. 手・足・背骨・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか。

精神的な病気も告知が必要な病気に該当しています。

告知事項は正直に記入しましょう。

融資を受けたいために嘘を書くと、「告知義務違反」で保険金が出ない可能性がありますので、やめましょう。

なお、フラット35は団信の加入は任意となっています。

初めから健康状態に不安がある方は、フラット35を利用するといいでしょう。

団信には加入できなくとも緩和型の死亡定期保険に加入する等、対策を講じることはできます。

無事、本審査の承認を頂いたら、金銭消費貸借(金消)契約です。

承認があったからといって、融資されるものではありません。

金融機関と金銭消費貸借契約を締結してはじめて融資が実行されます。

融資実行までに3営業日~5営業日かかるため、決済日に間に合うよう余裕をもって行動しましょう。

金銭消費貸借契約とあわせて、火災保険の契約があります。

■金銭消費貸借契約

<必要な持ちもの>

・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

・健康保険証

・不動産売買契約書・重要事項説明書

・実印

・印紙

・通帳(返済用口座)

・銀行印

・住民票(発行から3ヶ月以内)

・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)

1-8:残金決済、物件引渡し

残金決済、物件引渡し ⑬ 必要な持ちものを忘れない

ローンの実行日が決まり、ついに物件の引渡日となりました。

引渡しの場所は、金融機関や不動産会社で行われるのが一般的です。

時間は通常平日の午前中に行われ、物件の売主と買主、売主と買主の不動産業者の担当者各1名、金融機関の担当者、司法書士の約6名が立会います。

残金決済時に、司法書士が登記申請の書類を確認し、問題がなければ、売買契約時に払った手付金以外の残りのお金を清算、融資が実行され、晴れて物件の引き渡しとなります。

チェック項目⑬:必要な持参物を忘れない

不動産会社から事前に決済日のご案内があります。

それまでに印鑑証明書等必要な書類を準備しておきましょう。

ひとつでも欠けると当日、引渡しがされず、最悪、延期または契約内容によっては解除され、損害賠償金を支払う可能性があります。

<必要書類>

・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

・印鑑証明書(取得から3か月以内)

・住民票(同居人全員分)

・物件代金の残金(手付金を差し引いた売買代金))

・管理費・修繕積立金などの精算金

・固定資産税・都市計画税の精算金

・ローン保証料・ローン事務手数料

・登記費用(登録免許税、司法書士への報酬など)

・不動産会社への仲介手数料

・火災保険料

2.マンション購入時の諸費用

マンション購入時には物件の代金以外にも、仲介手数料や印紙代、登記代、住宅ローン利用時には、融資事務手数料等様々な費用がかかります。

できれば、諸費用は自己資金で用意しましょう。

自己資金で用意できない場合、オーバーローンや諸費用ローンの利用が可能です。

オーバーローンの場合は、住宅ローンに含まれるため金利は住宅ローンと同じですが、諸費用ローンは、住宅ローンに比べると金利が高く、マンションの購入代金と合算した総支払額(支払利息を含める)は大幅に増加します。

諸費用についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。

≫これだけで十分!中古マンションを購入する際に必要な諸費用【保存版】

まとめ

今回、中古マンションの購入について、確認してきましたが、いかがでしたでしょうか?

中古マンションは実際に住んでいる人がいるので、管理状況や住みやすい・住みにくいなどが購入前にわかるのもメリットです。

また、マンションを上手に購入することで、安心・安全を得ることはもちろんのこと、費用の節約や無駄な行動を抑えることができます。

注意点をおさえることで、買ってはいけないマンションが見えてきます。

物件を購入する際は、この記事を参考にしてみてください。

 

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