東京オリンピックが開催された場合、どの様な影響があるものでしょうか。
しかし、東京オリンピックの開催を契機に問題が表面化されてくるものや、団塊世代ジュニアたちの高齢化などによって、様々な業種で問題が起こることが予想されています。
「不動産」・「教育」・「人事」の3項目に分け、ひとつひとつ解説していきます。
目次
1.「不動産」における問題
オリンピック開催で最も影響を受けると予想されているのは「不動産」です。
東京オリンピック開催後、インフラ整備や建設ラッシュが落ち着き、市況が冷え込むと考えられています。
これは、決定直後の2013年にもいわれてきたことでしたので、誰もが予想していることでしょう。
では、実際に「不動産」はオリンピック開催後はどのような予想されているのか、内容を確認していきましょう。
1-1 不動産の価格下落
東京オリンピックの開催により、開催地決定後から不動産の物件価格は増加の一途を辿っております。
そして、高騰した物件価格は、オリンピックの閉会にともない、景気の冷え込みや2020年以降の空家増加問題により価格下落が予想されます。
実際に、オリンピック選手村跡地は、賃貸や分譲マンションとして改築され、なんと5600戸もの物件が供給されます。
2018年の東京都区部の新築マンション供給数は15,957戸ですが、その3分の1もの物件が、中央区の晴海エリアの一区画であるオリンピック選手村から供給されると、供給過多により値崩れを起こす可能性もあります。
さらに昨今では、タワーマンションの問題点を挙げる記事もよくみかけ、タワーマンションにネガティブなイメージがつきまとってきています。
2019年10月、都心を襲った台風19号の被害によりマンションの地下が浸水、停電、断水等の被害が発生したのは記憶に新しいのではないでしょうか。
その他、地震等の天災における影響、高額な管理費・修繕積立金、タワーマンションの供給過多と、ネガティブな話題は数えきれないほどといった状況です。
2019年10月より行われた、消費増税の影響も小さくはありません。
2.0%とはいえ、不動産価格は高額なため購入金額に大きく関わってきます。
しかし、これはあくまでもファミリータイプの物件の話で、ワンルームマンションの場合はその影響を受けにくい可能性があります。
1-2 単身者増加にともなうワンルーム不足
オリンピックが閉会しても、現在、東京の人口は転入超過率が高く、まだまだ人口が増加傾向にあり、特に単身者世帯が増えると予想されています。
そのため、ワンルームマンションの一定の需要が期待されます。
地域を選定し、かつワンルームであれば空室で悩むことはなく、価格も維持されると言えるでしょう。
特に東京オリンピックを機に、外国人居住者が増える可能性があります。
例えば、日本語学校の多い東京都新宿区にアクセスしやすい物件は、賃貸需要が高まる可能性が大いにあります。
そもそも東京都区部は「ワンルーム条例」という建築規制があり、新たなるワンルームマンションを建築しにくくなっています。
実際に、2018年の東京都のワンルームマンション(30㎡未満)の着工戸数は1,889戸しかありません。
そして、平成31年1月1日現在で東京都の人口は13,857,443人と平成30年に比べ、103,384人増えています。人口の増加数に比べ、明らかに供給数が少ないことが分かりますね。
ちなみに、転入超過率が東京よりはるかに低い神奈川県が2,442戸、大阪府は5,589戸の着工となっています。
いかに東京都がこの「ワンルーム条例」の影響を受けているか、お分かりいただけたでしょうか。
需要の増加のため、価格が維持されやすいのはデータからみてとることができます。
ただし、新築は“新築プレミアム”により実勢価格よりも割高に価格が設定されているため、売却時には下落リスクがあるので注意が必要です。
これは、中古を選択することで、実勢価格で購入ことができるので、簡単に対策をとることができます。
特に不動産投資を行う場合、大きく収支が変わってくるため、価格下落リスクの少ない中古の物件を選ぶことが重要になります。
ワンルームマンションの今後の傾向に関しては、こちらの記事も参考になります。
中古マンション投資はこちらの記事もご覧ください。
2.「教育」における問題
小学生から順次新しい学習指導要領が施行され、3つの柱である次の資質・能力を身につけることが目的になります。
①学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性
②生きて働く知識・技能
③未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力 |
そのために、大学入試制度や英語教育の変革、プログラミング教育が必須化されます。
2-1 大学入試制度の変更
センター試験が廃止され、大学入学共通テストが導入されます。
今までであれば、全てマークシート式でありましたが、今後は、国語と数学で記述式問題が導入されます。
地歴公民・理科に関しても2024年度から導入予定となり、より「思考力・判断力・表現力」が求められるようになります。
英語は配点が大きく変更され、センター試験では英語(筆記)が200点、リスニング50点だったものが、英語(筆記→リーディングに改称)100点、リスニングが100点となります。
また、2020年度からは延期されましたが、英語民間試験の利用について、今後導入されることとなっているため英検やTOEFL等の受験対策も求められるようになります。
英語なしの大学受験は考えにくいため対策が必須です。
そのため、浪人生などには不利と感じる人もでてくるものと予想されます。
2-2 英語科目の義務教育化
グローバル化にともない、高い英語力が求められています。
小中高を一貫した指標で目標設定がされるようになり、「使える英語力」の習得を目指すために次のような内容が変更されます。
①小学3・4年生で「外国語活動」が導入。
年間35時間。英語の音声やリズムなどに慣れ親しみ、言葉としての面白さや豊かさに気づくことを目的にします。
②小学5・6年生で「英語(教科)」が開始
年間70時間。成績評価がされ、活字体の大文字、小文字や文および文構造の一部を理解することを目的にします。
③中学・高校の英語授業は「英語で行うことを基本とする」
高校では、スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションを行う「論理・表現」の科目が新設されます。
④大学入学共通テストで「4技能評価、資格・検定試験」の活用
現在の2技能「聞く・読む」から4技能「聞く、読む、話す、書く」へと総合的な技能が評価されるようになります。
また、英語民間資格も国公立、私立大学の入試で求められるようになります。
2-3 プログラミングの義務教育化
中学校ではすでに義務化されていましたが、小学校でのプログラミング教育が各小学校の裁量から義務化へと変更になります。
ただし、小学校ではプログラミング言語やコーディングを学ぶことが目的にはなっておらず、
どのように動きや順番があるか理解し、基礎的なプログラミング的思考を養うことが目的となります。
3.「人事」における問題
少子高齢化社会が進み、人出不足が深刻となってきております。
実際に、2018年には人出不足が原因で400件の会社が倒産しております。(東京商工リサーチ調べ)
今日は、働き方改革によって生産性を向上させ、
自動化や見える化、標準化することによって人出不足を解消するといったことに挑戦する会社も増えてきておりますが、まだまだ浸透しておりません。
特に、2020年度は中小企業が所定外労働時間の上限規制が法律でされ、残業時間が年間720時間以内になり、より人出が必要になってきます。
また、働き方改革を行ったとしても、どうしてもマンパワーに頼らざるを得ない業界は、どうにか若い人から選ばれる仕事になるようあの手この手を使って、魅力を発信しています。
この章では、AIがとってかわるかもしれない仕事と、AIがとってかわることができない人材不足が叫ばれている業界の2020年問題について紹介します。
3-1 AIの導入における失職問題
AI導入による仕事の効率化・人件費削減が予想されています。
2020年以降10年~20年で、AIが人にかわり仕事をすることで人が行う仕事はほぼ半減するといわれています。
一般的には、データ処理や数字を扱う仕事、単純作業、機械操作等です。
例えば、事務員や銀行窓口係、給与・簿記、行政事務員、タクシー・バス運転手、製造工、修理工、研磨工、プレス工、ホテル客室係、スーパーやコンビニ店員等々あります。
銀行はすでにその対策のため、リストラや支店の統廃合が進んでいる最も危機感の高い業種の1つです。
みずほ銀行では、企業のIR情報に2026年度までに19,000人の人員を減少、店舗を130拠点減少する計画が立てられております。
不動産仲介も実はその一つなので、今後不動産業界でもリストラや拠点減少が進むと予測されています。
しかし、人の職不足が危惧される中、人にしかできない仕事には今後手がまわるようになります。
IT業界等AIが増えることによって繁栄する業界もあり、こちらは人手不足が問題視されています。
3-2 IT業界の繁栄によるエンジニア不足
AIやwebサービスの発展からIT業界は市場規模をどんどん拡大しております。
IT業界の繁栄により19万人のエンジニア不足になっています。
とはいうものの、一朝一夕で技術の習得は困難ですし、
IT業界は「3K(きつい、厳しい、帰れない)」というイメージも強いため新しい人材の流入がなかなか進まない現状にあります。
そこで昨今では、テックキャンプやテックアカデミー等、IT・プログラミングの技術を通学やWebで勉強できるサービスを行う企業も増えてきております。
プログラミング教育を行うスクールでは、転職サポート保証がついており、
授業料をすぐに回収ができる仕組みづくりがされています。
皆が憧れる企業への転職の実績もあるようなので、今後はこのようなサービスに注目です。
IT業界は人手不足がより加速し、2030年には79万人の人手不足が予測されています。
プログラミングの技術を習得できる機会も増えておりますし、未経験でも転職すれば、年収を一気に上げることができる可能性を秘めております。
今後もIT業界は発展していきますので、チャンスの多い業界でもあります。
年収500万円以上を狙いたい人にとっては非常におすすめの業界です。
3-3 団塊世代の高齢化により益々すすむ少子高齢化→介護業界の人手不足
2020年に団塊の世代が70歳以上となります。
今は「人生100年時代」といわれ団塊の世代がその親世代を介護しているケースも多いですが、
もういつ介護される側になってもおかしくない状況です。
そのため、介護職の人材不足がより深刻となります。
2020年度には26万人、2025年度には55万人の介護人材確保が必要といわれております。
ちなみに東京は、高齢化率は23.3%と全国でもトップクラスに低いのですが、
高齢者人口は309万人(令和元年「敬老の日にちなんだ東京都の高齢者人口(推計)」より)と多くの高齢者を抱えているため、2025年、東京で3万4665人の介護人材不足となる予定です。
特に都市部は他の業種も多く、人材確保も難航しそうです。
そこで、2019年10月から行われる更なる処遇改善によって、人材の確保が期待されます。
今回の処遇改善では1.0%~6.3%の加算がされます。
介護員が確保できなければ、介護離職につながり、社会全体でも大きく生産性が損なわれる事態となりますので、
今後も介護職の待遇改善には期待していきたいところです。
まとめ
働き方改革やAIの導入が進み、働き方に抜本的に考え直す必要がある時代になってきました。
リスクとなることもありますが、チャンスと捉えることで、大きく前進することができます。
①不動産価格の下落 → 安く不動産を購入できる機会。都心部の中古ワンルームであれば、利回り上昇。
②人手不足 → 賃金の上昇や働きやすい環境。
③教育改革 → グローバル化に対応した人材、変化の激しい時代を生きる資質や能力をもった子たちの育成。 |
今日は、人生100年時代といわれており、「副業」や「資産形成」が必須となります。
こちらの記事では、人生100年時代になると起こる可能性が高いといわれる老後破産について解説しています。
ぜひあわせてご覧ください。
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